第三話〜束の間〜
「んう〜!これ美味しいね!」
「ありがとう、おかわりもありますから」
イヴリースさんが俺の家で蒼火が作ったご飯を夢中で食べている
「…何故こうなった?」
〜〜〜
E.V.Eによって無力化されたA.V.E.Lを回収した後、裏山の施設をイヴリースさんと2人で訪れた。レオから諸々の説明を受ける為である
『助かったよイヴリース君、お陰様でA.V.E.LとC.A.I.Nを無事に回収出来た』
「ふふん!」
イヴリースさんが右手を突き出しブイサインをする
見た目は大人びている人だが中身は案外子供っぽい人なのかもしれない
『さて、紅刃君』
「ん?」
『短い間だったけれど、協力感謝するよ』
「そりゃ…どういたしまして?」
『もし…何かあった時はまた協力してもらうと思うよ、良いかな?』
レオの言葉に俺は頷く
「勿論だ、喜んで協力する」
その時、周囲に何処からか重低音が鳴り響く
「な、なんだ!?」
「…ごめん、お腹空いちゃった」
イヴリースさんが恥ずかしそうに右手を上げる
『…さっき喜んで協力するって言ってくれたよね?』
「…そう言うのはもう少し期間を空けるものだと思う」
『此処には食料の類いは無いからね、頼むよ紅刃君』
〜〜〜
と、こういう訳で目の前の悪魔ガール、イヴリースさんが俺の家で飯を食っているという訳だ、ちなみに蒼火には【そういう類いの妖】だと説明した、多分間違ってないと思う
「おかわり!」
「はーい」
「はぁ…」
何となくテーブルの上のリモコンを手に取り、テレビを点ける
映し出された番組では、先日脱税が発覚した大手企業の特集をやっていた
「紅刃、お風呂沸いたよ」
「おう、んじゃお先」
湯船に浸かりながらふと、S.I.G.M.Aに乗った時の事を思い出す
巨大な鉄の塊をまるで自分の身体のように操るあの感覚
「…もう1回乗りてぇな」
とはいえA.V.E.LとC.A.I.Nは回収され、他の機体にもセキュリティのアップグレードが施された今、S.I.G.M.Aに再び乗る機会は無いだろう
なんて事を考えていると、家の中にサイレンの音が鳴り響く
「おいおい何事だよ!」
慌てて風呂から上がり服を着てリビングに走る
「蒼火何事だ!」
「紅刃…アレ…」
蒼火が指さしたテレビに映し出されていたのは、何処かの都市の空を埋め尽くす程の数の、巨大ロボットの映像だった
『一体これは何事なのでしょうか!?先日のA.V.E.LとC.A.I.Nの事件との関係を含め現在各所で情報の収集と事態の対処が進められており…』
「クレハ君!レオ博士に連絡とれる?」
「え、は、はい!」
スマホに先日勝手にインストールされたアプリのアイコンをタップする
『…紅刃君!無事かい?』
「博士!」
イヴリースさんがスマホをひったくる
「E.V.E使える!?」
『もう向かわせてるよ』
庭の方からズシンと音がする
慌てて外に出るとE.V.EがS.I.G.M.Aを抱えて庭に降り立っていた
「先行ってるねクレハ君!」
そういうや否やイヴリースさんはE.V.Eに飛び乗り飛び去る
俺もS.I.G.M.Aに乗り込もうとすると、蒼火に呼び止められる
「紅刃!」
「蒼火…行ってくる」
「…帰ってきたら、ちゃんと説明してよね!」
紅刃は頷き、S.I.G.M.Aに乗り込んだ
『紅刃君、君には大量に出現した例の機体の殲滅を頼むよ、他のパイロット達にも通達したから手分けしてね、君の担当はこのエリアだよ』
モニターに地図が映し出され、そこに例の機体が居る地点が映し出される
「了解、行くぜS.I.G.M.A!」