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第二話〜出会い〜

例の出来事の翌日、テレビはA.V.E.LとC.A.I.Nの話題で持ち切りだった


だが続報が無いまま数日が経ち、世間の関心は薄れてゆく


また、裏山の爆発音騒動は妖退治という事で処理をした。家業様々である


そんなこんなで数日が経ち、世間の話題が芸能人のスキャンダルだの話題の歌手の新曲だのに移り代わった頃、紅刃に妖退治の依頼がやって来た


依頼内容は小鬼(ゴブリン)が群れで家畜を襲う被害が出ているとの事で、その小鬼の退治だそうだ


現地にやって来た紅刃は近隣住民の話を聞き、目的地の目星を付ける


だが到着が想定より遅くなってしまった為にビジネスホテルに1泊して明日の朝から仕事を始めることにした


ホテルでスマホを弄っていると、メッセージアプリにメッセージが送られてきた


「…ん?」


送り主を見ると、自宅の自分のPCから送られてきていた


メッセージは無く、添付ファイルが1つだけ


「…よし」


好奇心に負けた紅刃は添付ファイルをダウンロードする


ダウンロード完了と同時に自動でアプリがインストールされ、画面に展開される


『やあ、数日ぶりだね』


「レオ!?」


スマホから流れてきたのはあの施設で聞こえてきたレオの声だった


『君に連絡する手段がこれしか無くてね、この端末に僕をインストールさせてもらったよ』


「はぁ…それで、何で俺のパソコンから?」


『まあそれは企業秘密って事で、それよりこれを見てよ』


レオが画面に地図を映し出す


地図には現在地点を示すピンと高速で飛んでいる複数の点があった


「これは?」


『世界中の稼動状態の機体の現在地だよ、この点を見て』


レオが1つの点にマーキングをする


「…何かこの辺をウロウロしてないか?」


『A.V.E.Lだね、どうやらS.I.G.M.Aパイロットを探しているみたいだよ』


「俺が狙われてるのか!?」


『まぁ、S.I.G.M.AはA.V.E.Lよりも戦闘能力が高い…というよりA.V.E.Lは後方支援機だからパイロットを始末してS.I.G.M.Aを起動不能にした方が早いからね』


「ちょっ…そもそもS.I.G.M.Aが俺にしか動かせないみたいな言い方するじゃねえか」


『あれ?言ってなかったかい?S.I.G.M.Aは君…というか君の血縁者しか起動出来ないよ?』


レオに告げられた言葉に衝撃を受ける


「…待てよ?血縁者って事は…」


『ああ安心してよ、君のお姉さんにはしっかり護衛をつけてあるからさ』


「それなら…って結局何も解決してねえ!」


『まあ、A.V.E.Lに動きがあったらすぐに教えてあげるからさ』




〜〜〜




翌日、森の中を掻き分けて進んでいくと小鬼の群れを発見した


森の中の開けた場所に20程で固まっており食事の真っ最中のようだ


「この数なら、包囲陣を組むか」


小鬼達をぐるりと取り囲むように木々に印を刻む


総数13の印を刻み終えた紅刃は陣を起動させる


木々が光り輝き小鬼を閉じ込める陣…紅刃によって作られた処刑場が現れた


「よぉ小鬼共、お前らを始末しに来たぜ」


包囲陣の中に足を踏み入れた紅刃が妖退治用の小刀を鞘から抜く


溢れ出んばかりの殺気に小鬼は逃げ出そうとするが包囲陣は逃げる者を許さない


この包囲陣は紅刃が解くか限界を超えた負荷を受けない限り開かれることは無い


逃げ惑う小鬼を手早く仕留めてゆく紅刃だったが、残り数匹という所で嫌な気配を感じ上を向く


そこには、巨大な人型のロボットがこれまた巨大な弓をこちらに向けていた


「A.V.E.Lッ!」


弓が放たれ、包囲陣が一瞬で吹き飛ばされる


『…やっと繋がった!どういう訳か圏外だったから連絡が遅れてすまないね』


「それよりこの状況どうしたらいい!?」


咄嗟に木の影に隠れたが、手当り次第にさっきの弓を撃たれたら逃げ切れる自信はない


『S.I.G.M.Aをここまで運んでくる手はあるけど、それより良い手があるよ』


レオがそう言うとスマホに例の地図を映し出す


そこには、現在地点に向かって高速で飛来する点が1つ映し出されていた


『もうそろそろ到着だね』


「おい、一体何が…おわっ!」


突如として鳴り響いた高質量の物体同士がぶつかり合う音が鳴り響く


木の影から空を見上げると、A.V.E.Lが見知らぬ機体に掴み掛かられていた


「いよ〜っし!やっちゃうぞ〜!」


新たに飛来した機体から人が飛び出し、何とA.V.E.Lに飛び移る


「せ〜の!」


その人物はA.V.E.Lの装甲を素手で引き剥がし、内部の配線を破壊した


動力を失ったA.V.E.Lが地面に落下し、続いてもう一機が、最後にパイロットと思われる人物が地面に降り立った


「な…あ…アンタ…」


「ん?どうかしたの?」


「どうかしたって…その…羽根(・・)


『紹介するよ紅刃君、あの機体は【E.V.E】そしてそのパイロットで人造悪魔の【エンジェ=イヴリース】だよ』


「よろしくね〜」


背中から黒い翼と白い翼を生やした彼女、イヴリースは無邪気な笑顔を浮かべ手を差し出した

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