──*──*──*── 彡夊亭
──*──*──*── 宿泊室
薬師──フリーの調合薬剤師 ──のカナミダさんと相席をして、セロと食事を済ませたオレは、セロと一緒に宿泊室に居る。
セロはフロントで売られていた地図を購入したらしく、丸形のテーブルの上に広げて見ている。
因みに丸形のテーブルは宿泊室には無かった物で、セロが〈 テフの源みなもと 〉を構こう成せいして出だした物ものだ。
セロフィート
「 ──魔ま境きょうは此こ処こにあります 」
マオ
「 なぁ、セロ。
やっぱりさ…魔ま境きょうって── 」
セロフィート
「 十じゅ中ちゅう八はっ九くそうです。
この大たい陸りくも〈 皇コウ 〉が長ちょう期き不ふ在ざい中ちゅうですから 」
マオ
「 長ちょう期き不ふ在ざい中ちゅうって、どのぐらいだ? 」
セロフィート
「 ──ざっと3000年ねん程ほどでしょうか。
未まだ々まだ酷ひどくなります。
“ 魔ま境きょう ” 等などと呼よばれる物ものが出しゅつ現げんするぐらいですし 」
マオ
「 ──〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉が何なんで魔ま境きょうなんてのになったんだろうな? 」
セロフィート
「 大たい陸りくによって〈 大たい陸りくの法ほう則そく 〉が違ちがうように〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉の在あり方かたも変かわります。
原げん因いんはワタシにも分わかりません 」
マオ
「 …………勇ゆう者しゃに狩かられる亜あ人じん類るいは〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉の悪あく影えい響きょうを受うけてるんだよな… 」
セロフィート
「 〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉を通とおり、魔ま境きょうに出しゅつ現げんするのですから当とう然ぜんです 」
マオ
「 …………〈 皇コウ 〉が長ちょう期き出しゅっ張ちょうから戻もどって来くる迄まで続つづくんだよな… 」
セロフィート
「 そうですね。
明あ日すは何なにします? 」
〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉に関かんしては、流さす石がのセロにもど・う・す・る・事ことも出で来きないから放ほう置ちするしかない。
マオ
「 う〜ん……折せっ角かくだから、観かん光こうしたいかな。
勇ゆう者しゃギルドにも行いってみたい 」
セロフィート
「 勇ゆう者しゃ登とう録ろくでもします? 」
マオ
「 するわけないだろ〜。
カナミダさんが教おしえてくれたじゃんか。
勇ゆう者しゃ登とう録ろくしたら帝てい国こく内ないから出でられなくなる──ってさ。
籠かごの中なかの鳥とりに成なり下さがるなんて嫌やだね 」
セロフィート
「 今こん回かいは冒ぼう険けん者しゃ登とう録ろくもしません? 」
マオ
「 うん、今こん回かいはしない。
旅たび人びとのまま観かん光こう客きゃくとして過すごそう 」
セロフィート
「 マオが望のぞむなら… 」
マオ
「 ──カナミダさんが教おしえてくれたけどさ、《 医い療りょう街がい 》の中なかには《 調ちょう合ごう街がい 》や《 薬やく剤ざい街がい 》があるらしいよな。
自じ身しんで調ちょう合ごうをして薬やく剤ざいを販はん売ばいする薬やく師しって珍めずらしいみたいだけど、他ほかにも居いるんだよな? 」
セロフィート
「 多おおくはないでしょうけど居いるでしょうね。
調ちょう合ごう師しも薬やく剤ざい師しも契けい約やく卸おろし業ぎょうになりますから商しょう人にんギルドで商しょう人にん登とう録ろくをする必ひつ要ようはないですけど、調ちょう合ごう薬やく剤ざい師しは完かん全ぜんに個こ人じん経えい営ぎょうになりますから商しょう人にんギルドで商しょう人にん登とう録ろくをする必ひつ要ようがあります 」
マオ
「 そうなんだ?
折せっ角かくだしさ《 調ちょう合ごう街がい 》と《 薬やく剤ざい街がい 》にも行いってみよう 」
セロフィート
「 図と書しょ館かんも忘わすれないでください 」
マオ
「 分わかってるよ。
図と書しょ館かんってさ、何ど処こにあるんだ?
地ち図ずマップに書かかれてるか? 」
セロフィート
「 書かかれてませんね。
神しん聖せい教きょう会かいの中なかにあるかも知しれません 」
≪ ウェッティシュ帝てい国こく ≫の地ち図ずマップの上うえに≪ カグザークの街まち ≫の地ち図ずマップを広ひろげたセロが、神しん聖せい教きょう会かいの場ば所しょを指ゆびで差さして教おしえてくれる。
マオ
「 うへぇ〜〜……《 医い療りょう街がい 》の奥おくじゃんかよ…。
途と中ちゅうで《 調ちょう合ごう街がい 》や《 薬やく剤ざい街がい 》へ寄より道みちしてたら着つくのが遅おそくなるな… 」
セロフィート
「 急いそぐ旅たびではないですし、明あ日すは《 ギルド街がい 》《 調ちょう合ごう街がい 》《 薬やく剤ざい街がい 》へ行いきましょう。
明後日あさっては神しん聖せい教きょう会かいへ行いきましょう。
明し明後日あさってから街まち中なかをじ・っ・く・り・観かん光こうを楽たのしんではどうです? 」
マオ
「 そうだな。
そうしようか。
明日あしたが楽たのしみだな〜〜 」
セロフィート
「 ふふふ。
きっと楽たのしいデートになります 」
マオ
「 そ、そうだな(////)」
オレは明日あしたのデートに備そなえて早そう々そうに休やすむ事ことにした。