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シャナ王国戦記譚  作者: 越前屋
第一章
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第一章 1話 プロローグ

この作品は処女作になっています。宜しくお願い致します。


現在改稿中です。

一人称を三人称に変換中。

その他、細かいところも変更中。

グランバニア大陸。

かつて、偉大なる皇帝によって、グランバニア大陸全土を治めた巨大国家を作り上げた。

しかし、いつしか戦乱が起き、国は3つに分裂した。


グランバニア大陸の半分を領し、大陸中央を支配している「文明の国」

中央の雄、セントレイズ帝国


グランバニア大陸の南東を支配し、東西をカーロライン川が流れている。

その豊かな水流と共に発展してきた「水の都」

水源の覇者、バーネット皇国


グランバニア大陸の南西を支配し、セントレイズ帝国との間にゲイル山が横たわり

山と森に囲まれた「草原の国」

緑を統べる、シャナ王国


セントレイズ帝国、バーネット皇国、シャナ王国

人々はこの三国を総称して「戦国の三雄」と呼ぶ。


それから、およそ100年

シャナ王国で一人の男の出現と共に歴史が動き出す。


シャナ王国歴102年

バーゼット国王は側室のアントワネット姫を寵愛していた。その為、亡き王妃の唯一の子供である王太子ラファエルを疎み始め、ローランド要塞の責任者として更迭する。


翌年シャナ王国歴103年

バーゼット国王死去

しかし、王太子ラファエルの異母弟ケイフォードが即位を宣言。


即座にラファエル王太子を排斥せんと画策する。

ラファエル王太子はこの苦境を脱却せんとオルデン村に住む賢者を登用する。


かの者の名をカズマと言う。

その者万里の彼方まで全てを見通す、千里眼の持ち主なり。

その千里眼でシャナ王国を救う賢者なり。

人々、彼を称して曰く。


シャナの千里眼と・・・・。

(シャナ王国戦記より抜粋)



「人間はどのような環境に置かれても適応出来る。」とは誰の言葉だったか?

何かの本で読んだのか、誰かが話していたのを記憶の片隅に残っていたのかも覚えていない。

ただ、この言葉は正しい。

人間は見知らぬ異国に身一つで会話が出来ない環境に放り込まれようと、気が付いたらその環境に適応して生きていける程逞しい生き物である。

これは人間が海の生き物から陸の生き物になる進化の過程で手に入れた能力なのかは知らないが、カズマはこの能力に心底感謝していた。


なぜなら科学文明に支えられた都会育ちのカズマでも中世ヨーロッパの田舎の文明にも慣れる事が出来たのだから。

運命の悪戯なのか、神の悪戯か、未来量産型猫ロボットの道具の所為なのかは分からないが。


異世界に来てしまったカズマも3年も過ごしていると電気なし、水道なしの築30年の木造建てでもそれなりに快適だと思えるぐらいまで異世界に適応していた。



3年前、カズマは通っている高校の通学路を歩いていると霧が辺りを包みこんだ。

自分の手が見えないぐらいの濃霧だった。

それはまるで雪山で遭遇した、ホワイトアウト並みの霧だろう。

気がつくと道路を走っていた車などの科学文明がもたらした騒音の一切が消え、鳥のさえずりなどが聞こえてくる自然の騒音しかない異世界に、カズマは移動していた。


今時の日本には珍しい深い森だなと感じたのも束の間、カズマは遭難の可能性に思い立って焦ったこと焦ったこと。

その後、森を散々歩き回り、今時珍しいコンクリートで舗装されていない道に出くわしたのは彼にとって幸運だった。

その道を辿ること3時間。

やっとの思いでカズマが辿り着いたのがオルデン村だった。


日本人にはありえない髪と目の色をした人達が住む村だった。

まぁ、端的に言えば、金髪碧眼の外国の方々である。

言語が通じるか不安だったが、どうもカズマはこの話せないはずの異世界の言語を習得していたらしい。理屈は考えても分からないが、今は話せる事に自分をここに送り込んだ神以外の神にカズマは感謝した。


とりあえず、異世界で初めて会った人に主人公がするお約束の質問。

「ここはどこですか?」を聞いてみることにした。

結果は日本という国は知らず、シャナ王国という聞いた事もない国にいるらしい。

この時点で異世界に来たことをカズマは悟る事になった。

じっとしていても仕方がないカズマは村長の所に案内して貰い村長に事情を説明する事になったが、どこまで話したものか迷ってしまった。


結局、異世界から来たと言って信じて貰えるとは思えないので村長には記憶喪失になったと言い、置いて貰う事が出来た。

そして、見ず知らずの旅人(カズマ)を手厚く遇してもらい今にいたる。


「今日もいい天気だし、寝るか〜!」


朝早くから働く、農民に喧嘩を売っているとしか思えない不謹慎な声が響く。

それが異世界で自宅警備員と化したカズマのなれの果てだ。

一応、最初はカズマなりに農家のお手伝いをしていたのだ。

とはいえ現代+都会っ子育ちのカズマの労働意欲などはたかが知れている。

しかもである。

この世界には農業機械なんていう便利な代物は存在していなかった。

精々が牛を使うぐらいである。

トラクターも田植え機もない、昔ながらの農作業はカズマの腰に重大な疲労感を与えるのは当然であった。

そんな軟弱で役立たずな旅人を村人はお荷物と思われ始めていた時に転機が訪れた。

日本ではまず見かけない山賊の出現である。

力にモノを言わせて金品を強奪したりしていく彼らに、村人は為す術がなかった。

ただ、それは村人の話。

三国志や春秋、戦国時代(日本と中国の両方)の歴史本を読破しつつ、三国志、信長の野望などの戦略ゲームをやり込んでいたカズマは勇躍した。


村長に知恵を授け、山賊達にたらふくのお酒を飲ませてほろ酔い気分にさせた。

そこを村人に襲わせたのである。

驚いた山賊が逃げた先には、カズマがあらかじめ逃げそうな場所を検分して村人に作らせた落とし穴などの罠が待ち受けていた。

日が昇る頃にはあっさり山賊を全員捕虜にすることに成功した。


それ以来、村人はカズマを賢者として扱ってくれるようになるのは自明の理だった。

毎日食べ物を持ってきてくれるし、働かなくていいし、すっかりニートで怠け者のカズマが出来あがったのである。



「兄貴〜!良いとこの坊ちゃんにおっかない騎士と別嬪の姉ちゃんが来ているでやんす!」


頭にバンダナを巻き、薄汚れた鎧を装着した男が駆けてきた。

見るからに凶悪そうな悪党面をしており、体格は現代で言えば、プロレスラーと紹介されても10人中10人は信じる、筋骨隆々の堂々とした男である。


「バルカン、今は眠いから後にしてくれ〜。」


20代前半の若者から聞く者をだるい気分にさせてしまう返事をした。

顔の造作は辛うじて2枚目に引っ掛かっている程度の造作はしていたが、いかんせん目を開けることも面倒臭いと言わんばかりに半分閉じられている。


また、世の中に疲れきっている表情もしており、どこか老成した雰囲気を醸し出しており、今は3枚目まで評価が下がるだろう。

更に体格も中肉中背の体型をしているが猫背気味に丸まって、気だるい雰囲気が5割増しになっている。


「駄目でやんす!何か至急会いたいとのことでやんす!」


ちなみにバルカンは山賊として村を襲ってきた所を計略で撃退して捕らえた時に村人から叩き殺されるところを助けて以来俺を兄貴と慕うようになった。


「わかった、わかった。あと1時間寝たら行くよ。」


それでも、渋っていたが


「さぁ〜、兄貴、行くでやんすよ!」


さすが元山賊なのか、それとも付き合っているうちに慣れたのか。

手際良く大の男を引きずりながら、ぐうたらな賢者を客の待つ客間に運んでいった。


これが東條和真という男が歴史という名の劇場に登場することになる序章となった。


感想、誤字脱字バッチこいや〜。

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