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シャナ王国戦記譚  作者: 越前屋
第二章
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第二章 22話 新たなる仲間

フローレンス、グローブの処遇に関する会議が終了してから、

1時間後、フローレンス将軍は囚人護送用の特別馬車の

檻の中で揺られながら王都に到着した。


断罪を覚悟していたフローレンス将軍は王都が見えてくると、自然に愚痴が出てしまった。


「はぁ〜、俺の不幸もここに極まったな。

まさか、あの状況で引っくり返されるとはね。

カズマとかいう切れ者軍師がいたなんて、思わないだろう?

まぁ考えようによってはもう俺の人生がこれ以上不幸になることはないし。」


そんな酷く後ろ向きの考えで自分を慰めていると、

王都の城門の前に人だかりが出来ているのが分かった。


俺が処刑されることを見にきた暇な群集かと思ったが、近づくにつれて、違う事が分かった。


城門を中心に誰かを守るかのように、兵が警備している姿が見える。

更に近付くと、城で何度か拝見した事のある現在、唯一の王位継承権を持つ王族が見えた。

つまり、ラファエル王がいた。


「こんな所までお出迎えされるとは・・・・。

どうやら、相当お怒りのようだな・・・・。」


残酷な方法で処刑される自分を思い浮かべて、悄然とした。

ケイフォード王子がラファエル王子に負けたと聞いた時には自決を真っ先に考えていた。

だが、ゼノン教の敬虔(けいけん)な信者としてはそんな事をすることは出来なかった。




ゼノン教では基本的に人の体を傷つける事を禁じている。

これは全ての人間の身体を作り上げたのはゼノン神であり、

この体を傷つける事はゼノン神に対する冒涜として考えられているからである。


ただ、この教えでは戦争することは勿論、

重犯罪者を処刑することも出来ないので例外規定が存在していた。

各国の王は戦争の前には神に許しを乞う儀式を行い、

処刑場では必ず、神官が控えているのが各国の習わしである。

そんなゼノン教の教えと部下の命乞いを考え、自決を断念した。




『やっぱり自決すれば良かったかな』と後悔の念を抱き始めたが、

今更どうしようもなく、ラファエル国王の前に着く頃には腹を括っていた。


ラファエル王が檻を開けるようにと警備兵に伝え、警備兵の手により檻の鍵が開けられた。

檻から出された俺は平伏をしながら、部下達の命乞いをしようとすると、

だが、ここで思わぬ事が起きた。

怒っているはずのラファエル王が俺の頭を上げさせたのである。


「フローレンス将軍、頭を上げてください。

僕達は不幸にも、敵味方に分かれましたが、戦争が終われば、敵味方もありません。

これからは私の力になって、貰えませんか?」


そう言いながら、俺に手を差し出した。

思っていたことと違った展開に追い付けない俺に、王は誰かの名を呼び招いた。

そして、その顔を見て更に俺の頭は思考停止した。


俺と一緒にあの世で処刑友達になると思っていた同僚・・・・。

グローブ財務卿の姿を見たからである。

更に彼の服は罪人の服ではなく、高級官僚が身に着ける服を纏っていた。


「フローレンス将軍お久しぶりやな。お元気でしたかな〜?」


「なっ!?グローブお前!どういうことだ!」


鳩に核爆弾の如く、大混乱に陥ったフローレンスにグローブはこれまでの経緯を説明した。


「どうもこうも、何か知らん間に、わて宰相に昇進しとりましたがな。」


肩を竦めるグローブの説明を補足すべく、ラファエルが前に出た。


「ケイフォードから君達を宜しく頼まれていたんだよね。

他にも、君達みたいな優秀な人材はこの国には必要なの。

でまぁ、グローブには宰相をやって貰う。

フローレンスには近衛軍司令官を務めて貰うことにしたから。」


「はっ?近衛軍司令官に私が・・・?」


別名、近衛軍は近衛騎士団とも呼ばれ、その軍に所属する兵は騎士とも呼ばれる。

近衛騎士団は王直属にして、シャナ王国最強の騎士団である。

シャナ王国で生まれた男なら一度は夢見る、騎士団と言っても過言ではない。


そして、シャナ王国には様々な騎士団が多数存在している。

全ての騎士団は王直属の軍隊であり、王の命令一つで活動する。


また、どの騎士団にも、何らかの役割が与えられている。

例えば、ルークが団長を務めている紫電騎士団は

ローランド要塞の守備が基本的な役割である。


そういった役割を与えられた騎士団をシャナ王国全土に配備しているわけである。


その騎士団の中で最大、最強の騎士団が近衛騎士団になる。

団員は常時5万人が所属し、1万人ごとに1軍団を編成している。


これが、第5軍団まで編成されている。

任務は王都の守備、警備や王族の身辺警護など多岐に渡っている。


しかし、彼らの最も重要な任務は他国が攻めてきた場合、

即応戦力として、すぐさま戦場に向かう軍隊である点だ。


過去、セントレイズ帝国が攻め込んだ場合、

近衛軍司令官が軍団を引き連れ、周辺の領主の私兵を吸収しながら、戦場に向かうので、

必然的に近衛軍、領主の私兵を指揮する総司令官には近衛軍司令官が務める事になる。


つまり、近衛軍司令官とはシャナ王国軍の総司令官と置き換えても、間違いない。

というわけで、ラファエルは武人が憧れる地位をフローレンスにやれと言うのである。


「お待ち下さい!私には荷が重いと思われます。」


「駄目〜。これは重臣と相談して、決めた決定事項だし。

思う存分働いて貰うよ?」


悪戯っぽく微笑みながら、フローレンス元将軍の肩を叩いた。

武人としては最大の立身出世なのだが、フローレンスは何故か素直に喜べなかった。

彼の不幸ソナーが彼の頭の中に鳴り響いていたからだ。


何だか、悪魔に契約成立の証しに肩を叩かれたような気もするフローレンスだった。

この日より、フローレンスは近衛軍司令官の地位についた。


もしかしたら、彼の史上最大の不幸は

ラファエルやケイフォードに見込まれたことかもしれない。


はい、これで22話目です。

お気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、

1話〜21話の話を修正しました。

内容自体は変わっていませんが、

一部表現や不評だった改行の多さを修正しました。


また大きく変わった点がありますが、その前に一言。

スミマセン!!!orz


指摘されて気づきましたが、王兄=王の兄でした。

完全にに勘違いしていました。

早速、大幅な修正を行っております。


王兄派を王太子派に。

王弟派は第二王子派と表現を変えております。


また、陛下という表現は王に使う表現という指摘を頂きましたが、

私としてはラファエルとケイフォードも自らを王であると称していたという設定でした。

ただ、王に即位する儀式をしてもいないのに、

そう称すのも不適切かな〜と思い、

考え直して、陛下の表現を殿下に変えております。


何度か見直して、直したとは思いますが、

まだ変わっていない箇所があれば、御一報下さい。

即座に訂正しますので。


次回は新キャラを出す予定です。


感想、誤字、脱字などの指摘を待ってます〜。

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