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シャナ王国戦記譚  作者: 越前屋
第一章
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第一章 13話 本当の罠

それから、2日後にはローランド要塞に

王太子派討伐軍は王太子派の妨害もなく、無事に到着した。


偵察兵からの報告通り、城門は開き放たれており、人の姿が見えなかった。

しかし、石橋を叩いて、更に命綱を着けながら渡る性格のフローレンス将軍は

罠の可能性を考えて、千人程の部隊を中に突入させて、本隊は城外で待機した。




・・・・1時間後。


「将軍、突入した千騎長から報告です。敵兵の姿は無く、隠し通路も見つかりませんでした。

また、罠の類も一切見つからなかったそうです。」


副官からの報告に更に疑念を募らせた。


「くそっ。罠の類が見つかれば、安心だったのに。ラファエル王太子は何を考えている!」


「将軍、罠もない事ですし、本隊も入城いたしましょう。」


「・・・わかった。ただし、見張りの数を増やせ。怪しい動きを何一つ見逃すな!

厳戒態勢で待機だ。」


「「はっ!」」


一斉に部下が敬礼する。




約30分後にはローランド要塞城主の間には新しい主を迎えていた。

部屋にはフローレンス将軍と副官の2人がいた。


「それで、ラファエル王太子の足取りは掴めたか?」


「偵察兵が近くの村や町に聞き込みをした所、

軍勢がセントレイズ帝国に向かう姿を多数目撃しています。

おそらく、亡命したので間違いないのでは?」


副官の報告に頭をワシャワシャと掻きながら、部屋の中を歩き回った。


「何故、ラファエル王太子の動きが気になるのですか?

既に亡命していますし、恐れる必要がないのでは?」


部下の疑問に


「では何故、ローランド要塞を破壊した形跡が無い?

後に王位の座を取り戻すのには、この要塞が目障りのハズだ。

破壊して、俺達に使わせないようにするのが普通だろ?」


「ローランド要塞がちょっとやそっとの力で壊せる程、

簡単ではなかったからではないですか?」


「だとしても、壊す努力をした形跡があっても良いはずだ。

だが、どこにも、そんな形跡は無かった。」


「・・・それは確かに妙ですね。」


「あぁ、何か罠があるのは間違いない。ただ、それが何かが分からない。

俺達にも分からない、隠し通路があるのか?

おい、もう一度城内を探索「「カーン!カーン!カーン!」」・・」


将軍が言いかけた時、突如として、軍勢の接近を知らせる鐘が鳴り響いた。

しばらくすると部屋に連絡兵が転がり込んできた。


「何事だ!!」


「将軍、申し上げます!およそ3万〜5万の軍勢がローランド要塞目掛け接近中!!」


「ちっ!!それが罠か!ラファエル皇子はどこからそんな兵力をかき集めた!!」


「そっ、それが。方角はセントレイズ帝国領です。旗印もセントレイズ帝国軍のものです!」


「・・・・何だと!!帝国軍の奴らが!」


成程、帝国軍に助力を求める手があったか。

今まで敵対していた分、まさか簡単に手を結ぶとは思わなかったが。

だが、それにしても妙だ。


何故、ラファエル王太子はローランド要塞に立て篭もらなかった?

何故、ローランド要塞を捨てる必要がある?

帝国軍が援軍に来るならば、難攻不落のローランド要塞で立て篭もって、援軍を待てばいい。

そして、準備が整ってから我々と戦うのが堅実な策のはずだ。


後方には巨大な補給基地にして、難攻不落のローランド要塞が控えているとなると、

我々でも手を焼くのは、どんな凡将でも考えられるはずだ。


「将軍!念のため陛下に援軍を要請しましょう!

王都に残っている近衛軍は1万人だけですが、他の貴族の私兵を合わせれば・・・・。」


その副官の言葉を聞いて、血が凍る思いを味わった。


・・・そうか!ラファエル王太子の狙いは王都ランパールだ!

俺達をローランド要塞という巨大な監獄に閉じ込めて、速戦即決を図るつもりか・・・・。


ラファエル軍は推定1万人。用兵と奇襲次第で十分王都は陥落出来る可能性がある。


「すぐに殿下に伝令を出せ!!」

フローレンス将軍の命令で伝令兵が王都ランパールに全速力で向かった。

だが、その伝令がケイフォードに届く事はなかった。

何故なら、ラファエル軍は兵糧、武器の一部を

王都ランパールの近くに極秘裏に運び込んでいたのである。


身軽になった兵士は当時の行軍速度では考えられない

速度で王都ランパールに接近していった。


普通の軍勢が行軍するのに10日かかる距離を6日で踏破したのである。


後の歴史家はこの出来事を「ローランド大返し」と呼ぶ事になる。


お待たせいたしました〜!

13話をお届けいたします。

今作で策の全貌がハッキリしました。

次作ではついにケイフォード対ラファエルの戦いへと移っていきます。


え〜それから、貴重なご意見ありがとうございました。まだまだ、自分の文章力の無さには絶望すら覚えますが、頂いた意見を役立ててより良い作品にしていきたいなと思います。

誤字脱字感想お待ちしております。

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