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シャナ王国戦記譚  作者: 越前屋
第一章
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第一章 10話 魔剣の鞘

軍議終了後、カズマとバルカンは荷物を置きに(あて)がわれた部屋に向かった。

残されたラファエル、ルーク、セシリア、ガンドロフは作戦名「ローランド大返し」を

準備する仕事を各自に割り振る作業を行っていた。


「それじゃ、ガンドロフ将軍はいつでも出陣出来るように城兵の指揮と訓練をしといて。」


「万事、この老骨にお任せを。」


「セシリアはその他諸々の補給物資輸送の準備をお願い。」


「畏まりました、殿下。」


「今回の作戦はタイミングが重要だから、皆、タイミングを慎重に合わせてね。」


「「畏まりました」」


全員が敬礼して、承諾する。


「それにしても、賢者という評判だとは聞いていましたが、恐るべき智謀ですなぁ。」


ガンドロフが言えば


「こんな近くに、あんな鬼才がいたなんて知らなかったよ。敵にまわらなくて良かった。」


しみじみとラファエルも同意する。


「私も彼が賢者だというのは認めます。でも、信用出来るのですか?

他国の間者であれば、シャナ王国が滅びますが?」


「それは大丈夫だよ。最初、僕の誘いを断っていたし、

間者だったら、すぐに乗っていたはずだよ。」


ラファエルがその危惧を払拭する。


「しかし、彼の智謀は魔剣の如く鋭すぎます。魔剣の絶大な破壊力は他者をもとより、

己をも傷つける結果になるかもしれませんねぇ。」


さすがに騎士団長として、数々の人間を見てきた、ルークは鋭かった。


カズマは21歳。

世間から見れば、まだまだヒヨッコの年齢である。

時間という人生経験だけは才能だけでは学べない。

それゆえ、カズマの弱点はその人生経験の無さと見抜いていた。


そして、不幸な事に遠からず、この予想は当たってしまう。



「そうだ!抜き身の剣だから他者も己も傷つける。

だけど、魔剣でも鞘があれば誰も傷つけない!

セシリア、さっきの仕事と並行して、カズマの副官を任せる。

カズマにはまだ、部下が少ないから補佐してあげて?」


「何故、私が!それに私は陛下の補佐があります!」


「いや、僕にはルーク、ガンドロフ将軍がいるけど、

彼には片腕となる者がバルカンしか居ないように見える。

片腕では出来る事が限られている。両腕があってこそ、何でも出来るんだよ?」


「・・・・殿下は私が不必要なのですか?」


「違う!父親に嫌われ、母もいなかった僕には、

セシー姉が母親代わりに接してくれて感謝している。

お陰で、僕は自棄にならずに済んだ。だから、今度はカズマの鞘になって欲しい。

他者を傷つける魔剣を包み込む事が出来るのは母親のような優しさだけだからね。」


年は近いが、姉として、時には母として、自分を守ってくれたセシリアには感謝していた。

だから、人生に絶望することなく、ここまで来られたと実感している。


「・・・・・・・分かりました。私はカズマの副官を務めます。

まだ、間者の可能性が消えたわけではありませんし。」


不承不承、セシリアが承知した。

こうして、カズマにはラファエル王太子から最初にして、最大の褒美が贈られた。

今はまだ、鞘と剣の型が合わず、鞘に剣が入らないが、

二人の型が合うのは遠からぬ未来かもしれない。


はい!

今日は10話のメモリアル話をお送りいたします。


ファミレスで勢い趣くままに書き込んでみました。

ちなみに最近の越前屋の楽しみはファミレスで待たされた時に書かされる紙に・・・・。 

▲◎  様 4名 喫煙

◆∴  様 3名 禁煙

御主人 様 1名 禁煙

と書いて、可愛い店員に

「ハイッ、1名様でお待ちの御主人様」

と呼ばれる事です。

まぁ、男性店員に呼ばれて、鳥肌が立ったこともありますが。


そんな事はさておいて、今作でやっと、

セシリアとカズマの絡みを増やせます!

永かったなぁ〜。

次回作では、カズマが連れてきた山賊メンバーを紹介出来そうです。


感想、誤字、脱字お待ちしております。


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