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第六十五話 しゃぶしゃぶ2。


 鍋を持ってみんなの居る外に出る。


「みんなできたよー」


「ん」


「やったー! 休憩だぁ……」


「楽しみですね」


 三者三様様々な反応だ。

 メンマの鍋をどけて鍋を置き、椅子がわりにしてる木に皿を置いてみんなに竹の容器を配る。

 このお椀ほんと便利だな。

 ポン酢とトマトダレの2種類を入れてあげる。


「今日はしゃぶしゃぶです。どうぞ」


「どうぞと言われても食べ方がわかりませんユウタ」


 ですよね。忘れてました。


「まずこうやって野菜を適当に入れておきます」


「ん……」


「アリスが嫌そうな顔しても入れるもの入れます。そして次にこうしてお肉か海老を薄くスライスしたものがあるので箸かフォークで持って、この鍋の中のお湯に浸けてしゃぶしゃぶと揺すります。そして色が変わってきたら持ち上げてさっき渡した竹の容器に入ってるタレの好きな方につけて食べる。簡単でしょ? 野菜は適当に食べていってね?アリス」


「なんでアリスだけ」


「だって言わないと食べないだろ?」


「アリスちゃんちゃんと食べよーね!」


「ローゼも食べろよ?」


「食べるよちゃんと!! いだだきます」


 みんなでいだだきますと斉唱して食べ始める。

 ローゼ達は初めてするしゃぶしゃぶに興奮気味だ。


「ユウタ! こんくらい? もういいかな!!」


「お肉」


「これくらいですかね?」


 アリスは生で慣れてるみたいで特に気にした様子はないが、美味しいのか少し笑顔が見える。

 ローゼとキースさんはしゃぶしゃぶするのが気になるのか凄い確認してくる。


「それくらいで食べれますよ。正直鳥は新鮮なんで生でも全然平気ですし」


 軽くしゃぶしゃぶしてポン酢風のタレに浸けて食べてみる。

 うん。美味しい。魚醤も意外といけるもんだね。みんな何も言わないから意外と使えるのかも?

 第一にあんなに嫌がってたアリスも何も言わずに食べれてるしいけるいける。


「ユウタの作るものはいつも新しいし美味しいね」


「同意」


「流石はユウタさんですね」


 ローゼの言葉にみんなが同意する。


「普通の料理なんだけどねこれも。誰でもできる簡単なものだよ」


「でもそもそも思いつきもしなかった」


「ローゼは馬鹿だから参考にならない」


「そういう事言っちゃダメだよ! 傷つくんだからね!!」


「はいはい。アリスちゃんと野菜も食べなって言っただろ?」


「バレた」


「当たり前だろ」


 アリスの皿に野菜を盛ってやる。嫌そうな顔しながらもきちんと食べるところは偉い。


「ねぇ! 突然の無視は止めようよ」


「ローゼはうるさいなぁ。黙って食事ができないの?」


「何この理不尽……」


 このやりとりを聞いてアリスもキースさんも一斉に笑う。

 人気者だねローゼ。


「アリスちゃんもキースくんもなんなのさ! 何が面白いの」


「良かったね。みんなから慕われて」


「慕われてる人の扱いじゃない……」


「構ってもらえるだけいいでしょ、全く。早く食べて続きやっちゃってね」


「あれ全然終わらないからね……。アリスちゃんが物凄い速度で剥いてくけどすりおろす方は限度が」


 とは言ってもおろし金は1つしかないんだよなぁ……。

 木とかでやってもいいけど後が大変だし申し訳ないけどローゼには死んでもらおう。


「それしかないから頑張ってよ」


「薄情者〜」


「まぁまぁ俺も手伝いますから」


 キースさんそうやってローゼ甘やかしたら駄目ですよ? 今のうちから苦労させとかないと。

 みんなでしゃぶしゃぶを堪能して各々作業に戻る。

 こっちにきてしゃぶしゃぶが出来るようになるとは思わなかった。少しの出汁が取れるだけで料理の幅がこんなにも広がりなんて出汁って凄いね。


 出汁といえばたこ焼きの出汁もとらないといけない。

 何ベースにしようか。

 鰹節ができてそうだし鰹出汁と煮干しかな? 昆布も欲しいけど……。


「よし決めたぞ。たこ焼きが終わったら海に行こう。刺身に踊り食いに塩焼きだ。BBQもいいな」


 まだ先の未来を想像しながら、さらにその次のラーメンに向けての試作を進める。


「魚醤焼豚。どんなもんかな」


 薄く1枚スライスして口に運ぶ。

 普通の焼豚よりも少し臭い。魚醤のせいなのか、生姜とかがないせいなのか。でもまぁ……。


「焼豚だな。後で燻製して臭み消してみるか?」


 世の中燻製すればなんとかなると思ってます。

 とりあえずたこ焼きをやって海に行ってラーメンを終わらせたら米だ。


 米を手に入れに行かねば……。大豆と米。これがあれば生活が潤う。大豆をすぐに味噌と醤油にしないといけないだろうし。



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