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第四十三話 鳥の解体とお裾分け。


「とりあえず手を入れられる温度だよなぁ……」


 大きな鍋にお湯を沸かして45度くらいで火からおろして鳥をぶちこみ、手の方から羽根を掴みながらプチプチと抜いていく。


「おお、案外すんなりと剥けるもんだな。処理したら何にして食べようかなぁ?」


 ローストチキンとか唐揚げとか。煮物でもいいな。内臓は少し怖いから串に刺して焼き鳥にしよう。

 レバーにハツに砂肝、これはローゼが居ない時に食べないと量が少ない貴重な物がすぐなくなってしまう。

 2羽とも羽根を毟りきると一度川で鳥を綺麗に洗い流してしまう。


「毟った毛を洗って綺麗にして乾かしたら羽毛布団とか作れないかな……?」


 こんな量じゃ全然足りないけどもし溜まったらやってみてもいいかもしれない。どうせ仕舞っとく場所には困らないんだしね。

 ローゼにでもやらせよっと。

 頭と足を落としてローストチキンの形にする。このまま焼いてもいいけど今回は部位ごとにカットしておこう。

 背中から包丁を入れてもも肉や胸肉とどんどん切り分けていく。骨と内臓だけにしてお肉は食材リストに突っ込む。


 このリストにまだ煮干しと露店で買った串数本と今入れた鶏肉しか入ってないんだけどね。こういうアイテム欄をめっちゃいろんな種類で埋めていくのが凄い好きなんだけど、コレクション的な感じのさ。わかる人いるかな? なるべく店で買ったやつじゃないもので埋めていきたいな。


「さて、あとは内臓を取り出すだけだ。終わらせたらレッグを焼いて1人でぱーちーしよう」


 内臓の出し方がわからない。まあ骨を砕いて出せばいいや。傷つけないように……。

 案外すんなりと取れた。内臓も軽く水洗いしてコレクションに追加する。

 食べたらなくなるコレクション。量を確保しないと全然埋まって行かなさそうだ。

 お昼ご飯をパスタから鳥のレッグに変更してフライパンにさっき処理したレッグに塩胡椒をして焼いていく。

 部屋のなかに肉の焼けるいい匂いが充満していく。

 鳥のレッグを見るとクリスマスを想像してしまう。


「こっちってクリスマスとかあるのかな。いやそもそも暦があるのか」


 1年が365日とは限らないぞ? 確か地球の自転と公転がうんたらで決まってたはずだし……。多分。

 って事は違う可能性が出てきたな。けどいいか。俺のスマホを基準に生活しよう。俺のカレンダーが12月25日になったらクリスマスだ。

 ハロウィンにクリスマスに正月に。そこくらいは地球の時間でいいよね。異世界人だし。


 肉が焼けてきたので最後に粉チーズを振りかけて蓋をする。

 蓋。蓋がない。ちょいちょい不便だなこの世界は!!

 しょうがないからアルミホイルを取り出して上に被せる。


「こういう地味な消費で俺の貴重な資源が減っていってしまうな。早い所鍛冶屋とか探してつくってもらわないと」


 たこ焼きのプレートとかも作って貰いたいし。一個しかないとなんかあった時に不安だから確保しておきたい。割と量産が簡単そうなら広めたいしね。

 ラーメンの屋台より先にたこ焼きの屋台をやるのもありかもしれないな。ローゼに売り子させれば可愛いし売れる。てゆうかメイド服着させたいからそれでやらせよう。

 嫌がったらたこ焼きで釣ればいいんだ。

 フランスパンを齧りながら焼けた肉をお皿に乗せて外に持っていく。


「やっぱこういう自然の中だと外で食べた方が美味しいよね」


 蓋で使ったアルミホイルを再利用して先端に巻きつけて豪快に齧り付く。

 うん。やっぱり肉はうまいな。誰だかわからないけどありがとう。

 こんなことするなら普通に訪ねてくればいいのにな。そしたら一緒に美味しいもの食べられるのに。

 焼いた肉をラップで包んで肉を干してる網の中に入れておく。


「独り占めしようと思ってたけどなんか可哀想だからおいとこ」


 もしかしたらまた持って来てくれるかもしれないし、鳥じゃないのでも歓迎ですよ?

 持って来てくれた奴に感謝しながら肉を食べていると道の奥から人がやってくるのがみえた。


「うわ、ローゼじゃねあれ? なんでいつも食べてる時とかにくんだよ……。今食べてるのしかないしなぁ、焼くのは嫌だしお供え物は取られたくない」

 この食べかけ渡すしかないか……。俺の昼食が……。

 そんなことを考えているうちにその人影はこちらに辿り着いて手に持つ肉を発見してしまう。


「ユウタまたなんか美味しそうなもの食べてるね! 私の分は? あ、後これお土産ね!」


 まぁ、しょうがないか。食べかけのお肉を差し出してお土産を受け取る。このお土産でなんか作ればいいや。可愛い子との間接キスって事で譲歩しよう。

 こっちのをあっちが食べたところで俺は間接キスほぼ関係ないんだけどな……。



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