第三十二話 魚醤作りを始めよう2。
3人で街に買い物に来た。マリーちゃんは一応メイドさんだから屋敷に置いてきた。凄く来たそうな顔してたけど、連れてきたらあとで怒られるらしいから可哀想だけどしょうがないよね。
「それでユウタ今日は何買うの?」
「今日も魚と貝類」
「またー? 煮干し足りないの?」
「いや今日は違うものを3つ作る予定。うまく行くかできてみないとわからないけどね」
「ユウタ様何作るんですか?」
もうなんか様で定着してるんだけど……なぜ?
「家に戻ってから話しますよ。とりえず魚屋さんに行きましょうか」
お得意さまの魚屋に向かう。
「いらっしゃい。ってお兄さんか。今日も大量に小魚かい?」
「いや今日は大きめの魚と手のひらサイズの魚に貝類ってなんかありますか?」
「大きめの魚ならこれとかこれだけど」
「赤身がいいんですが」
「赤身ならこっちかな? 何匹いる? 1つ銀貨1枚だけど」
「ならそれを3匹と小さいのはいくらですか?」
1500円かこっちと同じくらいだね。なんの魚がわからないから比較は難しいけどこんなもんかな?
「小さいのってたくさんあるけどどんなのがいいんだい?」
脂がのってるやつのほうがいいのかな?
「うーんと、ならこの光ってるやつで」
とりあえず光物の魚にしてみた。
アジとかサバとかそういう系と同じだと期待しようかな。
「ユウタ様、かなり買いますね……?」
「この調子だと貰ったお金使い尽くしちゃいそうで怖いですね」
半分はローゼのために作るんだから少しくらい出して欲しいけど。流石に女の子に出してとは言えない。
「ユウタって多分ここら辺で魚好きの人って知れ渡ってそうだよね」
嬉しくない噂だな。
「ローゼ暇ならモウスのバラ肉とお腹減ったからいつもの串買ってきてよ」
「私をお使いに使うなんていい度胸だね! 行くけどさぁ」
「いや、今日のご飯で使うんだけど……嫌ならいいや」
一瞬で肉屋に向かって消え去っていった。
「貝はどうしますか? 4種類くらいありますが」
ホタテはないかな。一応全種類で作ってみて食べてみるしかないぽいね。
「じゃあ4種類とも20個ずつください。合計でいくらですかね?」
「えーとちょっとまってね……。銀貨9枚と銅貨が……10枚…銀貨8枚と銅貨5枚でいいよ」
「いつもまけてもらってありがとうございます」
「いやこんなに大量に買ってもらってるだけでうちはぼろ儲けだからね。こっちのセリフだよ」
財布から銀貨を取り出して渡そうとすると横から手が伸びてきた。
「ユウタ様。少ないですけどお使いください」
受け取ると銀貨4枚もあった。
「え?いや流石にこんなに受け取れないですよ」
「これで美味しいものを作るんですよね? どうせそれを食べさせていただくことになるんでしょうしそれならこれくらいの端数で良ければ払いますよ?」
うーん。何を言っても受け取って貰えなさそう。これ以上は失礼になるのかなぁ? こうなったら精一杯美味しいもの作ってお返しするしかない。
「ありがとうございます。ありがたくいただきますね」
「はい。少ないですけど」
ルネさんは笑顔で答え嬉しそうにしている。
代金を渡して魚を受け取る。
「私のいない間になんかイチャイチャしてるし」
「別にイチャイチャはしてなくない?」
「ロ、ローゼ様!? そうですよ! してませんよ。ただお金を少しばかり出しただけですよ」
「私はお金を払ってそんな笑顔の人見たこないよ」
「ローゼだって絶対その肉買うとき笑顔で買ってるでしょ。ご飯のこと考えて」
魚が結構重いから雑談は帰りながらにして欲しんだけど。
「私はないですよーだ! はいユウタ。コウの串」
「両手塞がってのが見えないのか」
「ならどうする? ユウタの分まで私が食べちゃっていい?」
いいわけあるか。何のために頼んだと思ってるんだ。
「口に渡してくれ」
「ほーい」
ローゼからもらった串を口で受け取る
あれ? これもしかして食べれないやつじゃ。
お肉が大きすぎて口の中で食べきれない。
「んー! ろーへこへむりたわ」
「何言ってるかわからなーい」
使えない奴だな。仕方ないからしゃがんで膝の上に荷物を置いて串を取ってうまく持って歩き出す。
「ローゼの役立たず」
「ひどっ!?」
「2人も仲良いですね」
はたから見たらコントにしかみえないかもしれないけどこっちは本音ですよ?