第十九話 ルネさんぱない2。
ローゼの部屋に戻ってノートにまとめる。
「ねぇユウタさっきルネにどんな料理のメモ渡したの?」
「お肉料理だよ。こっちの世界では子供の好きな食べ物トップを争うようなやつ」
「そんなものこっちでも作れるの?」
「ルネさんの腕次第じゃない?」
まぁルネさんなら大丈夫だと思う。
なんなら今日の夜ご飯に出てくる勢いじゃない?
「じゃあ大丈夫ね。ルネは料理だけは凄いんだから」
完全に信頼されてるね。
てかルネさんにだけはなんか友達みたいに話しかけてるよな。姉妹みたいなもんなのかな?
まぁ、ローゼの交友関係よりもやることやらないと。
とりあえず欲しい調味料を書いていこう。
『醤油、味噌、バター、牛乳、生クリーム、鰹節、昆布、煮干し、ニンニク、生姜、マスタード、鷹の爪』
こんなもんだろうか?
牛乳さえ手に入ればバターと生クリームを取れるだろうからまずは牛乳の入手からだね。
生姜とマスタードとかってもうほぼ原材料だから似たものを探さないと。
ニンニクと鷹の爪は一応あてがあるんだけどうまくいくかどうか。
「こんなにあるの?」
「有名どころはね。でもほとんど作れるかわからないなぁ」
「なんとかしてよ? 私のために」
ローゼのためかよ。そこは俺のためじゃないのか?
「とりあえず明日からは作らないといけない設備を作るところからだね」
「ついでにやってもらえばいいのに」
「そうだけど流石にもうわけないでしょ。図々しいというか」
「そういうもん?」
「そういうもん」
ローゼとたわいもない会話で時間を潰し、メイドさんに用意ができた部屋に案内され夜ご飯もご馳走になった。
「見たことのない料理だね」
ニズリさんはお皿をまじまじと見つめて興味深そうにしている。
俺も同じく皿の中身を見て驚く。本当に出てきちゃったよ……。
ルネさん恐ろしい。
「ルネーこれってもしかしてあれ?」
「はい、ローゼお嬢様。先ほどユウタ様から頂いたレシピを見て作りました」
ユウタ様? 呼び方が変わってないか? ニズリさん達の前だからかな。
「これはユウタさんの世界の料理なんですか?」
ニダリさんはこちらと料理を交互にみて聞いてきた。
「基本的にはそうですね。ない材料もありますのでそれを抜いたりしてますが。まさかルネさんがもう作れるとは……」
これは素直に驚きだ。天才と呼んでいいんじゃないか?
一口切って口に運ぶときちんとハンバーグになっている。
ちゃんと肉汁も出てくるしソースも美味しい。ニンニクなくてもこんなに美味しくなるのか。
こんなの自分で作らないでルネさんに作ってもらった方が美味しいのができるんじゃないか?
みんな食べると美味しい美味しいと賞賛する。
それを聞くたびにルネさんの顔が少しずつ緩んでいく。
その顔を見て教えてよかったなと思った。