第十八話 ルネさんぱない。
「だいたいこんな感じですね」
結構香辛料が豊富だったね。
明らかにどんぐりみたいな物とかあったけど気にしたら負け。
それより収穫だったのは胡椒があったことだ。煮たりする時に使うらしいけど粉として使ったりはしてないそうだ。
なのでルネさんには本来の使い方を教えておいた。
「これは砕いて粉か粗挽き状にしてそれこそ今日のステーキみたいなやつに塩と一緒につけて焼くんですよ」
「これって食べれるんですね……。今まで臭みが強い肉とかを煮る時に入れて最後に捨ててましたよ?」
「それも用途の一つですよ。一緒にネギとか入れても臭み取れますよ」
真面目にメモを取ってるよ。
ルネさんはこの世界で最初の地球料理人になるのかも知れないね。
聞かれたらなんでも答えちゃうよ? だってこんな美人のおねぇさんに頼まれたら断れませんよ。えぇ。
メモを取るルネさんを眺めていたらローゼにテールアタックされた。
なんで?
「ユウタさんといると勉強になりますねっ。ありがとうございます」
ルネさんは少し楽しそうに見える。
ローゼはなんか静かだけど。
「ローゼそれやめて。ダメージないからね」
「だってわからない話してつまらない」
そればかりはどうしようもない。
「ルネさんは実はもう1つお願いがあるんですけど。魚と動物の骨をゴミに捨ててある奴を譲って欲しいんですよ」
畑の肥料として骨粉を使いたい。
因みに本当に肥料になるのかは知らない。
某パソコンゲームの知識です。
「え……骨ですか? ゴミじゃないですか」
「使うんですよ」
「食べるんですか……?」
「ユウタ流石にそれは……。厳しいならお父様に言ってもう少しうちで過ごせるようにしようか?」
2人してそんな目でみないでよ。
食べるわけないじゃん!
「食べませんよ? 畑に使うんですよ」
「畑ですか?」
「そうですよ粉々にして土と混ぜるんですよ。そしたら土に栄養がいって育ちやすくなるんですよ」
だから食べたりはしないから安心して欲しい。
「なるほど、わかりました。それでは少し分けておきますね」
「ありがとうございます。すいません何から何まで」
「マヨネーズの恩に比べると全然ですよ」
助けてもらってばかりだと申し訳ないので、メモの紙を借りて、ある調味料だけでできるレシピを書いてルネさんにプレゼントする。
「これは?」
「これはハンバーグっていう料理のレシピですよ。ついでにソースのレシピもこっちのものだけで作れるの考えて書いておきましたから」
ナツメグとか多分無いだろうけど家とかで作るのにナツメグとか別に入れない気がするから問題ないだろう。
ソースはトマトとコンソメスープとかで作れる簡単なのだ。ちょっと物足りない気もするけど我慢してもらおう。
「ありがとうございます! 今度作ってみますね!!」
凄い目がキラキラ輝いている。
ルネさんは生まれてくる世界を間違えたみたいだね。ローゼよりルネさんのほうがあっちの世界に向いてるのかもしれない。
「それじゃもう戻りますね。休憩中なのにお邪魔しました」
「またねールネ」
もうルネさんはメモに夢中で反応はない。