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第十六話 今後の方針と調べごと。


「あ、おかえり。遅かったねー。何話してたの?」


 ベッドで寝っ転がりながらだらだらしてるし。


「今後の事だよ。家譲ってもらえることになったからなんとか生きていけるよ」


「よかったじゃん。それでどうするの?」


「どうするって?」


 何かあったっけ?


「いやお家をゲットしたら次はご飯の確保じゃない? ていうかどう生きてくのかだよね」


「あぁ、確かにね。何処かで働かないといけないのかなぁ」


「やりたい事とかないの?」


 やりたい事ねぇ……。あっちの世界だと就職とか考えて生きていくんだろうけどこっちだとあっちよりは縛られるものが無いのか。


「どうだろう。あっちだと学校行って卒業したら死ぬまで働くだけだろうって思ってたけど、こっちだと好きなことやって生きてけるのか」


「たくさんお嫁さんとっていい家買って暮らすとか?」


「うーん。美味しいもの食べて生きたいなぁ」


「ユウタの美味しいってこっちの料理でも大丈夫なの?」


 調味料と調理法が少なさすぎて正直現代人の味覚には合わないと思う。

 エナジードリンクとか飲みたいなぁ……。


「うーん。自分で作るしか無いか? でも調味料……」


 せっかく異世界に来てしまったんだから観光とかもしてみたい。


「それなら当分はユウタが欲しい調味料を作ってみたら? それが出来たらお父様にでも作らせて広めて貰えばお金持ちになれるじゃないの」


 必要な調味料作るって結構ハードル高くない?

 でも素材探したり作ったりして将来お店でも開いてゆっくりと生活するのもいいかもしれない。


「そーだね。とりあえず悠々自適に作りながら生活してみようかな」


 余裕がでたら素材を探しにいろんなところ観光しよう。


「やった! できたら勿論食べさせてよね?」


 うんうん。と頭の尻尾を揺らしながら頷く。

 ポニーテールって後ろから引っ張りたくなるのは俺だけだろうか。

 てか出来たら食べるだけとかゆとりすぎじゃないか。


「働かざるもの食うべからず」


「なにそれ」


「なんかしないとローゼにはあげないってこと」


 1人でも良いけど買い物とかになると人手が欲しい。

 この世界にある物と無いものもまだ分からないし口に合うかも確かめないといけないからね。


「えー」


「まぁローゼじゃなくてもルネさんとか頼んでみるよ」


「ちょっと待ってよう! わかったから!」


 部屋を出て行こうとするとローゼがしがみついてきた。


「ルネさんに頼んどけばいつかローゼの口にも入るよ?」


「いつの話さそれ! それまで退屈じゃん」


「子供か! 」


 駄々をこねるローゼを引き剥がして椅子に座りなおす。


「とりあえずじゃあこっちに何があるか確認しようか」


 鞄からノートと筆記用具を取り出して机に向かう。

 とりあえず今わかってるだけで。


「塩と香草類と砂糖くらいか? ローゼ、牛乳とかお酒はこっちではあるの?」


「……」


「ローゼ?」


 急に黙り込んでしまった。

 何がおかしなこといったか?


「わか……ません……」


「え? 小さくて聞き取れないんだけど」


「わかり……せん」


「もう少し大きな声で」


 さっきまでの声量はどうした。


「……わかりません」


 役にたたねぇ。君には失望したよローゼ。


「お願いだからそんな目で見ないでよ! 捨てないで!」


 捨てるもなにもローゼじゃ話が進まないんだけど……。

 またしてもしがみつこうとしてくるローゼをデコピンで撃退する。


「とはいえこれじゃ埒があかない。どっちにしろルネさん達に聞きにいかないといけない」


「ユウタ酷い……女の子に手を出しちゃダメだよ。ルネのところに行くなら私もいくからね」


 どうやらこのお嬢様は仲間はずれがお嫌いなようだ。


「それじゃルネさんのところに行こっか。忙しくなければいいけど」


「ルネならきっと暇でしょ」


 お嬢様はともかく使用人達は基本的に何かしてるイメージなんだけどルネさんは家事できないからもしかしたら暇……なのか?

 そんな失礼なことを考えながらローゼと一緒に厨房に向かった。




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