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第十四話 交渉してみましょ。


 今応接間であろう部屋にローゼ父の領主、ニズリさんと2人っきりで向かい合って座っている。

 俺が少し2人で話をしたいと言って食事の後に時間を作ってもらったのだ。


「それで話って?」


「ローゼさんにここの領地の財政が厳しいと聞いたんですが」

「ローゼのやつそんなことを……。領民に広まったら不安要素になるというのに」


 確かにそういう事考えてないで言っちゃってると思う。でもそこおかげでこうして九死に一生の相談が出来てるからローゼたん万歳。

 うん。キャラに合わないからやめよう。


「それで領主さんにお話が」


 失敗はできないから慎重に進めていかねば。


「領主じゃなくてニズリでいいですよ。それでお話とは?」


「ではニズリさん。商談というか相談がありまして」


「相談ですか?」


「はい。先程も言った通り私は無一文でして……。この先、生きていくのを考えるとかなり厳しくて」


「なるほど。確かにこちらのことを何もご存じないんでしたね」


「ですのでニズリさんが領主ということで1つ提案が」


 一度切って深呼吸をする。


「先程のマヨネーズのレシピと家を交換していただきたいんです」


「マヨネーズと家をですか?」


 現代で考えたら安全に頭を疑う発言だな。

 でもこっちの世界ではどうだろうか? 低コストのマヨネーズを独占販売して売れば儲かるのでは無いだろうか。この世界に最初に着いた頃に考えたことだ。


「はい。材料のコストもそこまで高くはないと思いますし、作り方も周りは誰も知らないです。食べてもらったのでわかるとおもいますが、不味いものではないしむしろ色々応用がありますので、広まれば物凄い利益になると思います」


「なるほど……。そしたら財政の悪化を補えると?」


「えぇ、最初にお家さえ頂ければ後でいくら売れようがお金を頂かないので。それに完全に普及して需要と供給が合わなくなってきたら、レシピを公開してみるのもいいかもしれません」


「そしたら売れなくなるのでは?」


「マヨネーズだけで一生領地を回すわけにはいかないでしょう。レシピの公開と同時にマヨネーズを作るときに必要な器具があるのですがそれを作って販売するのもありかと思いますよ」


 意外とペラペラと言葉が出てくるものだ。これは商人になれるのではないだろうか?


「ユウタさんは商人になれそうですな。でも申し訳ないんだが」


 やっぱりダメだろうか?


「財政に関しては私はそこまで詳しくなくてね。それが採算取れてるのかどうかも見極められなくてね。うちの財政の担当を呼んでもう一度話してもらってもいいかな?」


 どうやら管轄が違うらしい。

 決定権はあるけど管理してる秘書とかでもいるのかな?


「是非お願いします」


 頭を下げてお願いする。すると直ぐにニズリさんは鈴を鳴らしてメイドさんを呼びここに来るように指示を出した。

 数分で秘書っぽい人が扉を開けて入ってくる。 ここが正念場だな。




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