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幕間2-6

さらさらと、それをメモに書いた後、ひとつひとつ丁寧に確認する。

――大丈夫だ。間違いない。

「分りました、ではこの土地を確認してみます」

『どうか、よろしくお願いします』

梓が電話を切るまで待ってから、要は受話器を置いて、改めてメモに目を落とした。

書き出された土地は、良く知っている所だった。いや、知っているというのとは少し違う。地名は知っているが、しかしそこに何があるかは良く覚えていない。何度か通ったことはあるが、しかし格別目に留まる建造物等は無かったはずだ。

「……ふん」

※当たり前か、と要は己の間抜けな思考を嗤う。目的も何も無いのに目に留まる建物など一体何件あるというのか。そこが普通の家であるならば、数はさらに絞られるだろう。余程珍しい外見をしていないと記憶に残るわけがない。

外を見れば、相変わらずの雨だ。空は分厚く重たそうな雲に覆われている。太陽も暫くは拝めそうにない。

憂鬱だ。憂鬱の極みだ。しかし、手掛かりがあるのだ。

行かなければ。

「……くそっ」

誰に秘する訳でもないのに小さな声で吐き捨ててから、要は傘が入っている筈の物置へと足を向けた。


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