表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/97

探偵と猫と少女と疑惑 4-6

「……」

要らぬ不安であったようだ。

視線の先。ユキはせっせと、オムライスを食していた。相変わらずの無表情で、美味しいのかそうでないのかも分からないが、スプーンは絶え間なく動いている。

少なくとも不興を買ってはいないようだ。

なぜかホッとしながら、要は意識をオムライスへと向けた。

十分もかからない内に、皿は空になった。

残るはコーヒーのみ。

白磁の取っ手を持ち、口元に近づけ、傾け、中の液体を味わう。

要は目を見張った。驚くほどに、美味しかった。豆の違いもあるだろうが、手法のちがいもあるだろうが、事務所で淹れたそれとはそもそも同じ飲み物と思えないほどに差があった。

一口、二口、三口。

啜りながら、ふと再び、目の前の少女に目を向けた。

「……」

ユキも同じように、コーヒを飲んでいた。が、その視線はあらぬ方を見ている。

一体どこを見て居るのか、視線を追う。日の差し込んでいる窓の方、否、その向こうだ。

だが、その窓の向こうにあるのは、道路と店、そしてその向こうに工場の煙突が見えるだけだ。

決して面白い景色ではない。しかし、ユキはそちらから目を離そうとしない。

一体何をそんなに見て居るのか。要にはまったく分からなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ