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探偵と屋根と少女と出逢い6-2

「……何でお前がいるんだよ」

最早要に、ツッコミを入れる元気は残っていなかった。

少女を自由にさせるのは腑に落ちなかったがそれ以外に方法は無く、要は、コーヒを飲む少女を傍らに見ながら着替え、顔を洗い、買ってきた朝食を食べ、取り敢えずの身支度を済ませたのだった。

「ふぅ……」

さて、と。

食事を終え、自分で淹れたコーヒーを啜った要は、ようやく話を切りだした。

「何でお前が、ここに居るんだ?」

その対面。湯気を陽光に照らしながら、少女はコーヒーをひと口飲んで、答えた。

「お答えを、まだ頂いていませんでしたから」

「お答え?」

オウム返しに呟いた要に、少女はええと頷き、

「私を傍らに置いて頂きたい、という願いに対しての、です」

「……」

言われて要は思い出す。確かに二日前、この場所でそんなことを問われた覚えがある。

そう、思い出して、失笑した。

「……聞きたいか?」

問に、少女はこくりと頷いた。

――そうかそうか、だったら聞かせてやるよ。

自らを見つめてくる少女の黒い目に向け、要はニッコリ笑って、

「答えは、ノーだ」

告げ、どうだとばかりにその反応を確かめる。

まったく、本気でそれを願ってここに来たのか。一体どこをどうしたらその願いがかなうと思うのだ。

さすがにショックを受けているだろう、言葉も出ないだろう。

さあどうだ、と要は口の端に笑いを溜めて、少女の顔を眺める。

しかし。

その予想に反して、少女の様子に変化は無かった。

コーヒーをまた一口飲んで、それをテーブルの上に置くと、少女は要を見つめて問うた。

「理由をお聞かせ願いますか?」

「理由だぁ?」

そんなもの、挙げ始めればキリがない。


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