第20話 わすれなきゃいけないコト(祐希視点)
…ここはどこ…?
…ここは… たしか…?
???「え~。 祐希、鷹野先輩の事が好きなの~?」
???「うん」
頬を赤らめ、頷く誰か。
…あれは、あたし?
???「でもさぁ~。 鷹野先輩って、彼女いるじゃん? すっごい美人の」
祐希?「知ってる。 だから、振られて諦めようかなって…」
???「玉砕覚悟か! いよっ、男… じゃなかった、女だねぇ」
祐希?「茶化さないでよ~」
…楽しげな… 楽しげ?
???「で、もう先輩には?」
祐希?「うん。 メールして、返事も貰ってる。 一応、来てはくれるみたい」
…ってはダメ…。
???「おっ。 これはもしかして、大波乱の予感かぁ~? 普通こうゆうのって、最初から来ないっしょ?」
祐希?「違う用事だと思ってるだけだって~」
…顔をさらに赤くする誰か。 いや、あたし。
???「まあ、ダメ元で頑張っておいでって。 でも、わたしは大穴に賭けちゃうけどね」
…微笑みが… 温かい。
祐希?「うん。 行ってくる」
…でも…
…行っては…
…行っては。
【2】
…今度は…
…どこ?
…知らない場所?
…違う。
…むしろ、忘れなきゃいけない場所…。
祐希?「離してくださいっ! あたしはここで待ち合わせ…」
???「待ち合わせって、誰と?」
祐希「せ、先輩と…」
???「こりゃいいや。 マジで信じてたのかよ。 傑作だぜ」
笑う男。
???「あいつなら来ないぜ? つか、来ないから俺らが代打で~す」
下品な笑い。
祐希?「そんなっ! じゃ、あたし帰りますっ!!」
???「おっと~。 せっかく来たんだ。 もうちょっと楽しんでいこうぜ?」
…イヤ…。
祐希「離してっ! 先輩助けてっ!!」
???「聞いたか? 『先輩助けて』だってよ」
???「じゃあ、イイ事教えてやるよ。 お前売ったの、鷹野だぜ?」
???「そ。 1人1回3万って、あいつも何人嵌めれば気がすむんだか」
祐希?「え?」
…意味が解らない。
…いや、解りたくないだけ。
???「だからぁ~。 3万分、諦めて働いてくんね? 俺達も鷹野にふんだくられて、被害者なワケよ?」
???「そ、そ。 被害者同士仲良くってな」
伸ばされた手が、乱暴に制服を引き剥がす。
祐希「…や… やだ…」
…やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ…
…でも、それが男。