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小さな賢者は隠しごと 〜三歳のレオンは、のほほんと照らす〜  作者: マシュマロ羊


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閃光の庭師と、小さなライオン

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

お待たせいたしました。

ひとときのほほんとよろしくお願いします。

不定期になりますが、のんびりお付き合い

いただければ幸いです( * ॑꒳ ॑*)

 








「……追いついたぞ、小僧ォ!!」




 暗い廊下の角から、黒いお洋服を着たおじさんが飛び出してきた。

 キラキラ光るナイフを持った悪コロさん!


「……ッ! レオン様、伏せてください!」


 ボクを抱っこしたまま、ニコが急ブレーキをかける。


 数名のおじさんはスベスべしたけど、このおじさんは逃げて、ボクを奪おうとニコにキラキラが向けた。


(……あ!……ニコ危ない、めっだ!)


 だからニコの肩越しから、ボクは思いっきり身を乗り出す。

 ちょうどその時、おじさんが顔を近づけて来た。


「ガォー!!」


 ボクは、おじさんに向かって吠えた!

 身を乗り出した勢いに乗った身体が、全体重が乗っかて前のめりになった。


「ゴツォッ!!」


 ……ものすごい音がした。


 ……ボクのおデコと、おじさんの顔が、思いっきりぶつかったんだ。


「……ぶへぇっ!?」


 おじさんは変な声を上げて、鼻を押さえたまま、後ろに「ごろごろー」って転がっていた。


 ボクは追撃しようと、無理やりバタバタ降りて、ブシューーー!!ってミント液をかけた。


 あれ?もしかしておじさん、ボクのゴチン!で意識を失ってたみたい……。


「…………え?」


 マルコが口を開けて固まり、ニコも幽霊を見たみたいなお顔で僕とおじさんを交互に見ていた。


「……あっ!……い、い、ちゃい……」


 安心した途端、おデコがものすごく痛い。


 ジワジワと痛みが広がって、けど、ボクはライオンさんだから、が、ガマン……。


 涙がジワジワ溢れてくるけど、今は泣いちゃいけないとわかるんだ。

 でも目に映るお空が少し、クラクラと回ってる気がする。


「……レオン様、今のは……」


 ニコが震える声で呟いたけど、痛いとこをナデナデしなきゃ……。


「鼻柱を完璧に……。意識を刈り取った……だと……?」


「……石頭ですもん、ね 」


 ニコがようやく息を吐きながら僕を抱き締める。


「おい、ニコ! 呆けてる暇はねえ、今のうちにズラかるぞ!」


 そう言うとマルコが、ボクを奪い抱っこした。


「……は、はいっ! レオン様、すごいです……ガォー、ですね!」


 ニコはいつもの優しい笑顔で褒めてくれた。

 ボクは手の中のミント液をギュッと握る。


「……おいちゃん、ねんね……。ボク、つよい」


 ボクも、ブルーノのみたいに守ることできた。

 たまたまでも、ボクにニコを守ることができたんだ!


 じわじわと身体が温まって、叫ばすにはいられないんだ。ボクは嬉しくなってブルーノを見た。


「……ブルーノ!ボク、勝った! いけいけー! ブルーノも、がぉー、だぞ!」


 ボクは思いっきり手を振って、強いブルーノを応援した。

 だってブルーノなら、もっとスゴいことができるはずだ!


「……ハハッ。……ハハハハハ!」


 ブルーノが珍しく大きな声で笑い出す。


 マルコはとりあえず、また「びゅーん」って駆け抜けたけど、ライオンになった僕は、もう無敵なんだ!







「……鼠が、次から次へと」


 レオン様を抱えたマルコとニコを先行させ、俺は殿を務めた。

 暗がりから躍り出た三人の刺客……。

 俺は懐から投擲用の小刀を抜き、その喉元へ狙いを定めていた時だ。


「……ガォー!!」


 視界の端でニコの肩越しに身を乗り出すレオン様が、先回りした刺客の顔面に「ゴツォッ!」と頭を炸裂させた……。

 屈強な男はたまらなかったようで、鼻を抑えて崩れ落ちる。

 レオン様はつかさず、ニコの腕から飛び出すと、ブシューーーと仕上げを決めた。


「…………ッ!?」


 冷徹であるべき心が、あまりに純粋で破壊力(可愛い)一撃に激しく揺さぶられた。

 さらにその後続いたレオン様の歓喜の声……。


「……ブルーノ!ボク、勝った! いけいけー! ブルーノも、がぉー、だぞ!」


 レオン様が、はちぎれんばかりに短い手を振り、満面の笑みで俺を鼓舞している。

 ……腹の底から、熱いものがせり上がってきた。


「……ハハッ。……ハハハハハ!」


 自分でも驚くほど、大きな笑い声が出た。

 感情を殺して「庭師」という仮面を被ってきた俺が、幼子の勇ましい姿にこれほど愉悦を感じるとは思わなかった。


「左様でございますか、レオン様。……では、私も少しばかり『がぉー!』と参りましょう」


 剪定バサミの留め金を外し、左右の手に分かたれた二本の鋭利な刃を構えた。

 その無邪気な「いけいけー!」の声が、私の心に力強く響く。

 飛来する手裏剣を剣の刃先で弾き飛ばし、一歩で懐に潜り込む。

 掌底一つで一人を壁にめり込ませ、流れるように回し蹴りでもう1人の意識を刈り取る。


「……フフッ。……アハハハハ!」


 止まらぬ笑いがこみ上げてきた。

 冷酷な死神と言われた私が、年端もいかぬ幼子の純粋な声援に心踊らせ、力に変えていくとは、昔の私に話しても信じぬだろうな。

 月明かりの下、身体を影と一体化して舞うように敵を無力化していく。


「……おぉー! すっごい、の! ブルーノ、ぴゅーん、だ!」


 レオン様の「おおはしゃぎ」な声が、殺風景な廊下に響き渡る。

 暗闇から迫る敵の喉元へ、 片刃を走らせ鋭さを増す。閃光……キン、冷たい金属音が鳴り、敵の武器共ども全てを断ち切ってやった。


「……わぁぁぁ! ブルーノ!キン……よ!」


 レオン様のはしゃぐ声に合わせて、私はさらに舞う。

 敵の影を縫い、死角を突き、刃を交差させて敵を倒していった。

 今までの喧騒が、シャキン……、という音がなった後は、シーン……と鎮まりかえる。


「……レオン様。……お待たせいたしました」


 最後の一人を静かに沈めると、私は血を浴びていない衣服を整え、マルコたちに合流した。


「ブルーノ、あんた……なんてツラしてやがる」


 驚愕するマルコから、俺はレオン様の笑顔を見た。


「……マルコ、代われ。今の俺は少々気分が良い」


 俺はレオン様を、自分の「誇り」であるかのように高く抱き上げた。

 腕の中のレオン様は、俺の胸元をぺちぺちと叩いて喜んでいる。


「ブルーノ、かっこいい!」


「ありがとうございます、レオン様」


 追っ手の気配はまだある。

 だが笑うこの小さな「最強の主」がいる限り、私はどこまでも冷酷に、そして愉快に道を切り拓いていける確信があった。


「……レオン様。私の『がぉー』は、お気に召しましたか?」


「……こっくり! ブルーノ、キン……、かっこいい!」


 レオン様は私の首にぎゅっとしがみつき、重い頭を私の肩に預けた。

 先ほどまで鉄の重みを感じていたが、今は綿毛のようなフワフワの髪を抱いて、柔らかな身体は軽い。


「……さあ、行きましょう。安全な場所へ」


 レオン様を抱えたまま、夜の廊下を風となって駆け抜けた。

 背後で呆然としているニコたちの声など、もはや耳には入らない。

 私の心はこの小さな賢者の「いけいけー!」という声だけで、満たされていたいのだ。










 翌朝、屋敷内周辺では使用人やメイド、そしてマルコやニコが、次々と梱包しています。

 マルクスもあっちこっちに指示を出し、とても忙しそうです。

 だけどみんなとてもいい笑顔で、賊に絶叫をあげさせ、ギューギューに縛り上げていました。


「……悪さん、だいじょうぶ?」


 自分を狙った者たちの様子を、ジーと見つめるレオンに、ブルーノは聞いてみたかった事を聞きました。


「レオン様、悪いことをして捕まった者たちは、この後どうすべきでしょうか?」


 この質問はブルーノ自身が、気になるものでした。

 今までなら殺し埋める。

 または捕縛し処罰される。

 三歳軍師の知略は、なんと答え応じるのだろう。


 キョトンとした表情で幼子特有の無垢で穢れを知らない瞳に、血塗られた俺はどう映っているのだろう。

 捕縛者(あいつ)らと俺は同じで、何も変わらない……。


「……う~ん、?」


 首を傾げ唸りながら、何度も頭を捻るレオンの姿に、あ、やっぱり早かったかなと思ったブルーノにレオンは……。


「悪いことしたら、ごめんさいするんだよ」


 と答え、う~ん……、と唸っています。

 確かにそうだな、それは間違いないが……。


「ちゅぐにゃい?……うっ?ちゅ、……つ、ぐ、ない!」


 二パァーとレオンは笑うと、腰に手を当て……。


 スッ……と瞳の色が消え、深淵の瞳で見つめ返す。


「損した分は、働きで返して貰うんだ」


 そして、……フッといつものレオンの瞳に戻り、ニッコリと微笑みました。


「悪さん、おうちの、そうじ、おねがいするの」



 どんな悪者が来ようとも、侯爵家(かぞく)の絆を破ることはできません。




 馬を爆走させ邸に駆け戻ったヴィクトールは、レオンをみつけるなり、馬から飛び降りて抱きしめました。

 壊れ物を扱うように、けれどもしっかりと抱きしめ、無言のまま動こうとしません。

 後から来たセバスがそっと間に入り、レオンを抱擁から解きました。

 フニャ~ンと笑ってヴィクトールの足にしがみつくレオンを、ヴィクトールは慈しむように見つめ、頭を優しく撫でました。







読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

たくさんのブクマやポイント

ありがとうございます( * ॑꒳ ॑*)

とても励みになり、がんばろうと思いです。

メールもとても嬉しいです。

ネタになることもあります♪

誤字脱字もありがとうございます。(о´∀`о)

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― 新着の感想 ―
敵が襲ってきてもめっ!してのほほんと和気あいあいしてる姿を見て 今がただのほほんととしててもきっとやるべき事を決めた時は、こののほほんとから出て楽しく世界を過ごしそうな強さをレオンくんの感じた… の…
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