閃光の庭師と、小さなライオン
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
お待たせいたしました。
ひとときのほほんとよろしくお願いします。
不定期になりますが、のんびりお付き合い
いただければ幸いです( * ॑꒳ ॑*)
「……追いついたぞ、小僧ォ!!」
暗い廊下の角から、黒いお洋服を着たおじさんが飛び出してきた。
キラキラ光るナイフを持った悪コロさん!
「……ッ! レオン様、伏せてください!」
ボクを抱っこしたまま、ニコが急ブレーキをかける。
数名のおじさんはスベスべしたけど、このおじさんは逃げて、ボクを奪おうとニコにキラキラが向けた。
(……あ!……ニコ危ない、めっだ!)
だからニコの肩越しから、ボクは思いっきり身を乗り出す。
ちょうどその時、おじさんが顔を近づけて来た。
「ガォー!!」
ボクは、おじさんに向かって吠えた!
身を乗り出した勢いに乗った身体が、全体重が乗っかて前のめりになった。
「ゴツォッ!!」
……ものすごい音がした。
……ボクのおデコと、おじさんの顔が、思いっきりぶつかったんだ。
「……ぶへぇっ!?」
おじさんは変な声を上げて、鼻を押さえたまま、後ろに「ごろごろー」って転がっていた。
ボクは追撃しようと、無理やりバタバタ降りて、ブシューーー!!ってミント液をかけた。
あれ?もしかしておじさん、ボクのゴチン!で意識を失ってたみたい……。
「…………え?」
マルコが口を開けて固まり、ニコも幽霊を見たみたいなお顔で僕とおじさんを交互に見ていた。
「……あっ!……い、い、ちゃい……」
安心した途端、おデコがものすごく痛い。
ジワジワと痛みが広がって、けど、ボクはライオンさんだから、が、ガマン……。
涙がジワジワ溢れてくるけど、今は泣いちゃいけないとわかるんだ。
でも目に映るお空が少し、クラクラと回ってる気がする。
「……レオン様、今のは……」
ニコが震える声で呟いたけど、痛いとこをナデナデしなきゃ……。
「鼻柱を完璧に……。意識を刈り取った……だと……?」
「……石頭ですもん、ね 」
ニコがようやく息を吐きながら僕を抱き締める。
「おい、ニコ! 呆けてる暇はねえ、今のうちにズラかるぞ!」
そう言うとマルコが、ボクを奪い抱っこした。
「……は、はいっ! レオン様、すごいです……ガォー、ですね!」
ニコはいつもの優しい笑顔で褒めてくれた。
ボクは手の中のミント液をギュッと握る。
「……おいちゃん、ねんね……。ボク、つよい」
ボクも、ブルーノのみたいに守ることできた。
たまたまでも、ボクにニコを守ることができたんだ!
じわじわと身体が温まって、叫ばすにはいられないんだ。ボクは嬉しくなってブルーノを見た。
「……ブルーノ!ボク、勝った! いけいけー! ブルーノも、がぉー、だぞ!」
ボクは思いっきり手を振って、強いブルーノを応援した。
だってブルーノなら、もっとスゴいことができるはずだ!
「……ハハッ。……ハハハハハ!」
ブルーノが珍しく大きな声で笑い出す。
マルコはとりあえず、また「びゅーん」って駆け抜けたけど、ライオンになった僕は、もう無敵なんだ!
「……鼠が、次から次へと」
レオン様を抱えたマルコとニコを先行させ、俺は殿を務めた。
暗がりから躍り出た三人の刺客……。
俺は懐から投擲用の小刀を抜き、その喉元へ狙いを定めていた時だ。
「……ガォー!!」
視界の端でニコの肩越しに身を乗り出すレオン様が、先回りした刺客の顔面に「ゴツォッ!」と頭を炸裂させた……。
屈強な男はたまらなかったようで、鼻を抑えて崩れ落ちる。
レオン様はつかさず、ニコの腕から飛び出すと、ブシューーーと仕上げを決めた。
「…………ッ!?」
冷徹であるべき心が、あまりに純粋で破壊力一撃に激しく揺さぶられた。
さらにその後続いたレオン様の歓喜の声……。
「……ブルーノ!ボク、勝った! いけいけー! ブルーノも、がぉー、だぞ!」
レオン様が、はちぎれんばかりに短い手を振り、満面の笑みで俺を鼓舞している。
……腹の底から、熱いものがせり上がってきた。
「……ハハッ。……ハハハハハ!」
自分でも驚くほど、大きな笑い声が出た。
感情を殺して「庭師」という仮面を被ってきた俺が、幼子の勇ましい姿にこれほど愉悦を感じるとは思わなかった。
「左様でございますか、レオン様。……では、私も少しばかり『がぉー!』と参りましょう」
剪定バサミの留め金を外し、左右の手に分かたれた二本の鋭利な刃を構えた。
その無邪気な「いけいけー!」の声が、私の心に力強く響く。
飛来する手裏剣を剣の刃先で弾き飛ばし、一歩で懐に潜り込む。
掌底一つで一人を壁にめり込ませ、流れるように回し蹴りでもう1人の意識を刈り取る。
「……フフッ。……アハハハハ!」
止まらぬ笑いがこみ上げてきた。
冷酷な死神と言われた私が、年端もいかぬ幼子の純粋な声援に心踊らせ、力に変えていくとは、昔の私に話しても信じぬだろうな。
月明かりの下、身体を影と一体化して舞うように敵を無力化していく。
「……おぉー! すっごい、の! ブルーノ、ぴゅーん、だ!」
レオン様の「おおはしゃぎ」な声が、殺風景な廊下に響き渡る。
暗闇から迫る敵の喉元へ、 片刃を走らせ鋭さを増す。閃光……キン、冷たい金属音が鳴り、敵の武器共ども全てを断ち切ってやった。
「……わぁぁぁ! ブルーノ!キン……よ!」
レオン様のはしゃぐ声に合わせて、私はさらに舞う。
敵の影を縫い、死角を突き、刃を交差させて敵を倒していった。
今までの喧騒が、シャキン……、という音がなった後は、シーン……と鎮まりかえる。
「……レオン様。……お待たせいたしました」
最後の一人を静かに沈めると、私は血を浴びていない衣服を整え、マルコたちに合流した。
「ブルーノ、あんた……なんてツラしてやがる」
驚愕するマルコから、俺はレオン様の笑顔を見た。
「……マルコ、代われ。今の俺は少々気分が良い」
俺はレオン様を、自分の「誇り」であるかのように高く抱き上げた。
腕の中のレオン様は、俺の胸元をぺちぺちと叩いて喜んでいる。
「ブルーノ、かっこいい!」
「ありがとうございます、レオン様」
追っ手の気配はまだある。
だが笑うこの小さな「最強の主」がいる限り、私はどこまでも冷酷に、そして愉快に道を切り拓いていける確信があった。
「……レオン様。私の『がぉー』は、お気に召しましたか?」
「……こっくり! ブルーノ、キン……、かっこいい!」
レオン様は私の首にぎゅっとしがみつき、重い頭を私の肩に預けた。
先ほどまで鉄の重みを感じていたが、今は綿毛のようなフワフワの髪を抱いて、柔らかな身体は軽い。
「……さあ、行きましょう。安全な場所へ」
レオン様を抱えたまま、夜の廊下を風となって駆け抜けた。
背後で呆然としているニコたちの声など、もはや耳には入らない。
私の心はこの小さな賢者の「いけいけー!」という声だけで、満たされていたいのだ。
翌朝、屋敷内周辺では使用人やメイド、そしてマルコやニコが、次々と梱包しています。
マルクスもあっちこっちに指示を出し、とても忙しそうです。
だけどみんなとてもいい笑顔で、賊に絶叫をあげさせ、ギューギューに縛り上げていました。
「……悪さん、だいじょうぶ?」
自分を狙った者たちの様子を、ジーと見つめるレオンに、ブルーノは聞いてみたかった事を聞きました。
「レオン様、悪いことをして捕まった者たちは、この後どうすべきでしょうか?」
この質問はブルーノ自身が、気になるものでした。
今までなら殺し埋める。
または捕縛し処罰される。
三歳軍師の知略は、なんと答え応じるのだろう。
キョトンとした表情で幼子特有の無垢で穢れを知らない瞳に、血塗られた俺はどう映っているのだろう。
捕縛者らと俺は同じで、何も変わらない……。
「……う~ん、?」
首を傾げ唸りながら、何度も頭を捻るレオンの姿に、あ、やっぱり早かったかなと思ったブルーノにレオンは……。
「悪いことしたら、ごめんさいするんだよ」
と答え、う~ん……、と唸っています。
確かにそうだな、それは間違いないが……。
「ちゅぐにゃい?……うっ?ちゅ、……つ、ぐ、ない!」
二パァーとレオンは笑うと、腰に手を当て……。
スッ……と瞳の色が消え、深淵の瞳で見つめ返す。
「損した分は、働きで返して貰うんだ」
そして、……フッといつものレオンの瞳に戻り、ニッコリと微笑みました。
「悪さん、おうちの、そうじ、おねがいするの」
どんな悪者が来ようとも、侯爵家の絆を破ることはできません。
馬を爆走させ邸に駆け戻ったヴィクトールは、レオンをみつけるなり、馬から飛び降りて抱きしめました。
壊れ物を扱うように、けれどもしっかりと抱きしめ、無言のまま動こうとしません。
後から来たセバスがそっと間に入り、レオンを抱擁から解きました。
フニャ~ンと笑ってヴィクトールの足にしがみつくレオンを、ヴィクトールは慈しむように見つめ、頭を優しく撫でました。
読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)
たくさんのブクマやポイント
ありがとうございます( * ॑꒳ ॑*)
とても励みになり、がんばろうと思いです。
メールもとても嬉しいです。
ネタになることもあります♪
誤字脱字もありがとうございます。(о´∀`о)




