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小さな賢者は隠しごと 〜三歳のレオンは、のほほんと照らす〜  作者: マシュマロ羊


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小さなお客様の訪れ─春を呼ぶクッキー─

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

お待たせいたしました。

ひとときのほほんとよろしくお願いします。

不定期になりますが、のんびりお付き合い

いただければ幸いです( * ॑꒳ ॑*)

 




 ウフフ……、みんなきいて!



「……よいちょ。……よいちょ」


 ボクは今……、お庭の石段をのぼってるの。

 前まではブルーノに、「だっこ」してもらってたけど、今はひとりで登れるぞ。

 足が少しだけ長くなって、次の段に「よいしょ」って届くようになった!


「……あ。……届く」


 バラさんの枝にある「新芽」も、前は背伸びしてたけど、今はそのまま「ツンツン」できる。

 僕の背は、少しだけお空に近づいたの。


「レオン様、あまり無理をなさいませんように」


 後ろでブルーノが、いつでも僕をキャッチできるように両手を広げてる。

 カニさんみたいな動きをしているぞ。

 心配性……。ボクも気をつけてるよ。

 身体は大きくなっても、頭の重さは、まだまだボクを振り回そうとするの。


「……あ。……あぇ……?」


 石段の途中で……、お空を飛ぶハチさんを目で追いかけちゃった。

 するとやっぱり頭が揺れて、まあるいお腹が「ぷよん」って前に出ちゃった。


「……あわ、わ……!」


 おっとっと、ってなったけど、今日は転ばないぞ!

 ボクは一生懸命に足を踏ん張って、最後はゆっくり……。


 ストン……。


 ……結局、石段にお座りしちゃった。

 でも前みたいに、後ろにひっくり返らなかった。

 ちゃんとお尻で、格好よく座れたぞ!


「……フフ。……レオン(ボク)、じょうじゅに、座れたよ」


 ボクが自分を褒めてあげると、ニコが「本当ですね、レオン坊ちゃま! すごいです!」ってパチパチ手を叩いてくれた。

 マルコも厨房の窓から「……ふん、少しは足腰が強くなったか」って、嬉しそうに見てる。


「ブルーノ、みて。……レオン、おにいたん、に、なった?」


 ボクが聞くとブルーノはしゃがんで、ボクと同じ目線になってくれた。


「ええ、左様でございますね。……ですが、レオン様。あまり急いで大きくならないでください。我々の楽しみが減ってしまいますから」


 ブルーノが、変なことを言う。

 ボクは早く大きくなって、みんなに美味しいをいっぱい作って届けてあげたいんだ。


「……おなか、すいた。……マルコ、ごはん、よ!」


 ボクは座ったまま、元気におててを挙げる。

 身体が大きくなったら、おなかの空きが早くなるんだ!





「……しー。ブルーニョ、しー」


 ボクはお庭の隅にある「おやど」の前で、お口に指をあてる。

 後ろでブルーノが「はっ、失礼いたしました」って、息を止めるみたいに静かになったぞ。

 バラさんのトゲトゲに触らないように、そーっと、そーっと覗き込むと……。

 竹筒のあなっぽこの入り口に、キラキラした羽の「はちさん」が止まってる!

 もふもふしてて、ちっちゃなトラさんみたいだ。


「……あ。……は、いった」


 はちさんは、お尻をふりふりしながら、ボクたちが作ったお部屋の中に「スポッ」て入っていった。

 中をお掃除してるのかな?

 それとも、ねんねの準備かな?


「……はちさん、おやど、きにいった?」


 ボクは嬉しくて、飛び跳ねたくなった。

 でもいま飛び跳ねると、はちさんびっくりして逃げちゃうし、ボクもポョンするから我慢する。

 じーっと、はちさんが出てくるのを待つ。


「ブルーノ、みて……はちさん、お泊まり、ちてる。……マルコに、おしえる!」


 ボクが小さな声で報告すると、ブルーノは優しいお目めで、ボクを見ているよ。


「左様でございますね、坊ちゃま。……本当に、あの方の仰った通りになったな」


 ブルーノがボソボソ独り言を言ってる。

 珍しいけど、大人はいろいろ大変だもんね。

 ボクはとりあえず「うん、うん」って頷いた。

 そしてずっと屈んで「おやど」を見てたから、立ち上がると足がふらふらしちゃって……。


「あ、……?」


 やっぱりそのまま、芝生にストンとお座りしちゃった。

 ひっくり返った拍子に見上げたお空には、はるの雲がぷかぷか浮いてる。


「……はちさん、いらっちゃい」


 ボクがお座りしたまま笑ってると、ニコと、顔がこわいマルコがやってきた。


「レオン様、本当ですか? 本当にあの筒に……!」


 マルコがどうやら驚いてるぞ……。


(顔コワの原因なの……)


 ボクは内緒の約束を思い出した。


「マルコ、しー。……はちさん、ねんね、ちてる。……おこしちゃ、めーよ!」


 ボクが「よ」って言うと、マルコはなんだか顔を赤くして「……へい、分かりましたよ、レオン様」って、とっても丁寧にご挨拶してくれた。

 みんなで「おやど」のお客様(ハチ)を見守るの、とっても楽しみでほんわかな気持ちになるね!



 スゴいでしょ♪

 みんなにないしょの報告ね!







 ─マルコ視点─


「……ミント♪マルコ、これ……クッキーに、いれて」


 レオン様が菜園で摘みたてのミントの葉を、小さな手のひらに乗せて、厨房までやってこられました。

 ミントとは薬草として、胃薬やお肉の臭み消し、あるいは貴族が口直しに葉を噛むぐらいで、「お菓子に入れる」という発想はありません。


「……レオン様。ミントをお菓子にですか? それはまた、ずいぶんと風変わりな……」


 俺は正直戸惑う。

 ミントの清涼感と、いつもの「パサパサ・クッキー」が合うとは思えないから……。

 ですがレオン様は真剣な眼差しで「……スー、しゅるよ。……おはな、スー」と、鼻を指差して仰いました。


「はぁ……。レオン様がそこまで仰るなら、このマルコ、やってみせましょう」


 俺はミントの葉を細かく刻みました。

 爽やかな香りが厨房に広がります。

 それをいつもの粉に混ぜ込み、さらにレオン様の教え通り「卵のあわあわ」を少し加えて、焼き上げました。

 焼き上がったのは、ほんのり緑色が透けて見える、サクッとしたクッキーです。

 レオン様のおめ目がキラキラ光ってます。


「……やった! マルコ、スー……、しゅる!」


 レオン様は、焼き立てを一つ手に取り匂いを嗅ぎ、小さな口で「サクッ」と音を立てられました。

 そして、ふにゃりと目を細めて、ホニャ~ン……♪


「……お口が、はる。……スー、しゅる」


 俺も一枚食べて驚きました。

 焼くことで匂いの角が取れたミントの香りが、バターの風味を引き立て、後味を驚くほど爽やかにしてくれます。

 これは……、 これまでの「重くて硬い菓子」とは全く違う新しい世界の味でした。


「……レオン様。これは、素晴らしい。……夏の暑い日でも、これならいくらでも食べられそうです」


 こっくり……!


「マルコ、てんたい。あ…… ブルーノ、おつかれ、らから、あげよ」


 自分のおやつを少し分けて、庭で働くブルーノのところへトコトコと歩いていかれました。


 相変わらず途中でストンと、お座りでしたが……。

 手に持ったクッキーを大事そうに抱え、レオン様はまた立ち上がり、慎重にトテトテと歩かれます。


(……ミントか。あの御方の発想には、いつも驚かされるぜ)


 残りのクッキーを俺は 丁寧に缶に詰めながら、いつかこのお菓子が「レオン様のミント菓子」として、この国の名物になるかもしれないな……なんて、柄にもないことを考えました。


「にーちゃ!はい、どーぞ♪」


 行く途中アルベルトにあったレオンは、ブルーノの存在が消えたようです。


「美味いなぁ!スッキリして美味い!」


(ブルーノ……、哀れだ)


 その様子見た俺は同情しました。

 小さな紙袋を準備し、ゴソゴソと数枚のクッキーを入れながら……。







 ─ブルーノ視点─


 トコトコテクテク……♪


「……ブルーノ」


 庭のバラの剪定を終えた私の背中に、鈴の鳴るような可愛らしい声が届きました。

 振り返ると坊ちゃまが、私に紙袋を下さります。

 あけてみれば中には、緑の粒が混じった焼き菓子が入っていました。


「……坊ちゃま。これは何でしょう?」


 いつもの焼き菓子と違うような……。


「マルコと、つくった。……スー、しゅる。たべて」


 坊ちゃまは私に微笑むと、手近な菓子を一枚取り、こちらへ差し出されました。

 マルコの焼く菓子は、決まって喉が渇くほどに乾いているものです。

 私は訝しみながらもそれを受け取り、恐る恐る口にしました。


「…………ッ!?」


 鼻に抜けるのは摘みたてのミントの、鮮烈で清涼な香り……。

 そしてメレンゲを加えたという生地は、驚くほどスっと解けていきました。


(……なんだ、この『風』が吹き抜けるような感覚と軽やかさは!)


 あまりの衝撃に、鉄面皮が剥がれ落ちます。

目を見開いて言葉にならないまま、口元が微かに震えました。


「……あ。ブルーノ、おめめ、おっきい!」


 坊ちゃまは、私の珍しい表情を見て、嬉しそうにパチパチとおててを叩かれました。

 私は慌てて咳払いをし、元の鉄面皮に戻そうとしましたが……。

 口の中に残る爽やかな余韻が、頑なだった私の心を、春の雪解けのように緩めていくのを感じていました。


「……坊ちゃま。これは……魔法の味がいたしますね。疲れがどこかへ飛んでいきました」


「 ……ミント、まほう、よ」


 私は、坊ちゃまの小さなおててをそっと握り、その「魔法」の余韻を噛み締めたのです。







(ニコ視点)


(……あれ? なんだか厨房の周りが、いつもより賑やかだぞ)


 レオン坊ちゃまの着替えを準備しながら、開いた窓の外を見て驚きました。

 いつもはバラの芽の周りを飛んでいるはずのハチさんが、一匹、また一匹と、厨房の窓枠に集まってきているんです。


「……あ。はちさん、きた!」


 おやつを配り終えて戻ってきたレオン坊ちゃまが、窓を指差して声を上げました。

 マルコさんが焼いた「ミントクッキー」の香りが、風に乗って庭中に広がったみたいです。


 レオン坊ちゃまはちっとも怖がっていません。


「……だいじょぶ、よ。……はちさん、ミント、だいしゅき、ね」


 窓辺に近寄ると、一匹のハチが、レオン坊ちゃまの鼻先で「ぶーん」とご挨拶するように旋回します。

 レオン坊ちゃまは怖がるどころか、人指し指をそーっと出して……。


「……おやつ、ないよ。……また、おやどで、ねんね、しゅる」


 すると不思議なことに、ハチさんはレオン坊ちゃまの指先に一瞬だけ触れると、満足したようにバラの庭へと帰っていきました。


 ホニャ~ン……♪


「はちさん、あんがと、って、言ったね」


 レオン坊ちゃまは満足げにうなずき、座ったまま窓から入ってくる春の光を浴びて、とっても幸せそうに笑っています。


 そんなレオン坊ちゃまを見て僕も、あぁ……幸せだなぁとしみじみ思いました。







読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)

たくさんのブクマやポイント

ありがとうございます( * ॑꒳ ॑*)

とても励みになり、がんばろうと思いです。

メールもとても嬉しいです。

ネタになることもあります♪

誤字脱字もありがとうございます。(о´∀`о)

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― 新着の感想 ―
なんか語尾の崩れ方が酷くなってってませんか?やりすぎてちょっと気持ち悪い、、 「あで」とかは可愛くない笑
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