ニコの独り言─静かなる勝利─
拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。
お待たせいたしました。
ひとときのほほんとよろしくお願いします。
不定期になりますが、のんびりお付き合い
いただければ幸いです( * ॑꒳ ॑*)
(……あれ? なんであそこに料理長が?)
僕ニコは、菜園の影から「おかしな光景」を眺めて首を傾げていました。
レオン坊ちゃまが植えたじゃがいもの芽をチェックしているすぐ後ろに、いつもは厨房の奥から出てこないはずのマルコさんが、なぜか神妙な顔をして控えているんです。
(ちょっと前まで、あそこは僕の場所だったのになぁ……)
しかもブルーノさんとマルコさんが、レオン坊ちゃまを挟んで、なんだかバチバチしています。
ブルーノさんは「庭のハチの宿」を自慢げに指し示し、マルコさんは「おやつの新作」について、レオン坊ちゃまに耳打ちをしている。
※レオン「シー♪」から聞いています。
(……なんだろう?遠くから見ると、二人のおじさまがレオン様の寵愛を奪い合ってる『三角関係』みたいに見えるぞ。僕の頭……、今日はおかしいのかなぁ?それとも……、これが大人の交流なの?おもしろいなぁ)
二人が「ハチの生態がどうの」「粉の配合がどうの」と、少しずつ声が大きくなって言い合いを始めました。(秘密じゃないのかな?)
でもその中心にいるレオン坊ちゃまは……。
「……おぉ!だんごむし、コロコロ……♪」
全く聞いていませんでした。
今はお日様を浴びて、ぽーっと目を細めたお顔で空を見上げています。
レオン様と僕は、こういうところがよく似ているって、自分でも思います。
「……あ、あで……?」
あ、……やっぱり!
レオン様がちょうちょに気づき追いかけようとして、重い頭に振り回されて「おっとっと」と足元をふらつかせました。
案の定、そのままストンと芝生にお座りしてしまいます。
ブルーノさんとマルコさんが「レオン様!」「お怪我は!」と慌てて駆け寄ろうとするのを、僕は ヒョイっと追い越して、レオン様の前にしゃがみ込みました。
「レオン坊ちゃま、お尻に芝生がついちゃいましたね。さあ、そろそろ『たぼんとう』で手を洗いましょ?」
こっくり……!
「あわあわ、しゅる♪」
「そうですね。それから、今日はもう、ねんね(お昼寝)の時間ですよ」
「ねんね……しゅる。……」
僕は呆然と立ち尽くす二人の「共犯者」たちの間をすり抜け、レオン坊ちゃまの小さな手を引いてトコトコポテポテと歩き出しました。
後ろから「おい、ニコ! まだ話が……」「あ、こら、勝手に連れて行くな!」という声が聞こえますが、僕は聞こえないふりです。
(……大人たちは大変だなぁ。でもレオン坊ちゃまは僕と一緒にいるのが、一番のんびりできるんですよ)
「ニコ……おちょらが、まわって、ねむねむ、だにょ」
「フフ、そうですね。いい夢が見られますよ」
二人でふにゃふにゃと笑いながら、僕はレオン坊ちゃまを静かなお部屋へと運んでいくのでした。
しーんと静まり返った午後の午睡室。
扉のすぐ外では、なぜかブルーノさんとマルコさんがいます。
示し合わせたわけでもないのに、「警備」と称して扉の両脇に立っています。
だからなんとなく僕もその横で、のんびりと待ちました。
「……そろそろ、お目覚めでしょうか」
ブルーノさんが時計を見ながら無表情に、でも少しソワソワと呟きます。
「フン、目覚めには俺が用意した特製の果実水が必要だろうよ」
マルコさんも腕組みをしながら、準備万端の様子です。
その時、中から「ふぇ……」という、小さくて柔らかな声が聞こえました。
僕たちがそっと扉を開けると、そこには寝台の上で、重い頭をゆらゆらと揺らしながら、座り込んでいるレオン様がいらっしゃいました。
寝起きのせいでいつも以上に重心が不安定なのか、座ったまま「おっとっと」と左右に揺れています。
「ネム……」
目がまだ半分しか開いていない、完全な「ねむねむモード」です。
僕たち三人が一斉に覗き込むと、レオン様は目をぱちくりさせて、一人一人の顔をじーっと見つめられました。
そして、ふにゃりと、まるで春の陽だまりが溶け出したような笑顔を見せたのです。
「……ブルーニョ。マルコ。ニコ」
一人ひとりの名前を、噛みしめるようにゆっくりと呼ばれました。
「……みんな、だいしゅき……」
そう仰って、レオン様は満足げにまた目を閉じ、僕の腕の中に「ふにゃん」と倒れ込んできました。
「「「…………!!!」」」
一瞬、部屋の中の空気が止まりました。
ブルーノさんは鉄面皮が、嘘のように真っ赤になり、壁に手をついて天を仰いでいます。
マルコさんは、「……っ、反則だろ、そりゃ……」と顔を覆ってしゃがみ込んでしまいました。
僕も胸の奥がぎゅーっとなって、抱きしめたレオン様の体温が、なんだか涙が出るくらい温かくて。
(あぁ……やっぱりこの三人、三角関係なんかじゃないや)
みんなこの小さな「だいしゅき」という言葉ひとつで、明日もその先も……、どこまでも頑張れてしまう。
そんな「レオン様教」の信者みたいなものなんだって、僕は確信しました。
「……おい、ニコ。坊ちゃまをそのまま寝かせて差し上げろ。腕が痺れたら交代してやる」
ブルーノさんが、震える声でそう言ってきまし
た。
「いや、俺が抱っこしてやる。お前らは仕事に戻れ」
マルコさんも顔を真っ赤にしたまま、食い下がります。
「いいえ、お二人とも。レオン様は今、僕の中で『ホニャ~ン』って言ってますから、……交代はしませんよ?」
僕は珍しく二人に、はっきりと言い返しました。
レオン様の「だいしゅき」の余韻に浸りながら、僕はもう少しだけこの幸せな重みを、独り占めすることにしたのです。
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