颱目
ねむい
???:どうぞ、座ってくれ
ラゴスは、静かに椅子をひき、老人から目を逸らすように座った。そして、また老人を見て言った。
ラゴス:あなたの名前は、なんですか?
???:おっと、まだ言っていなかったね、私はアトマス、ただの年寄りだ。
チリチリと暖炉の薪が燃えている、煙の匂いにも慣れてきた。
ラゴス:アトマスさん、それで、台風の目、というのは
アトマス:いやしかしね、君は見たところ10代だそんな若者が台風の目とは、やはり、驚くね…
そうあとマスはラゴスを注意深く見つめ始め、気づいた。
アトマス:なんと!君には、角がある、、、まさか、竜人か?
ラゴス:はい、それでら仲間を…
ラゴスを遮るようにしてアトマスが、興奮して話す。
アトマス:竜人か!そうかそうか、道理で
「ガー」に気に入られるわけだ、いやしかし、そうか、君があの竜人か、む?や、すまない、、、、それで何だって?
ラゴス:同じ竜人の仲間を探しているんです、あなたも言ってたし、その、「ガー」って人も言ってたのだけど、珍しいでしょ?竜人って
アトマス:……………あ……うむ………ふむ……それで、台風の目に行けば何かわかるかもと
ラゴス:はい、そう「ガー」さんに言われて
アトマス:……わかった、良いだろう、では向かおうか、台風の目に
ラゴス:本当ですか!ありがとうございます
アトマス:いや、いいんだこのくらい…そういえば、まだ君の方の名を、聞いていなかったね、なんて言うのだい?
ラゴス:ラゴスです
アトマス:ラゴス…いい名だ、してラゴスよ、なぜ仲間を探す?
ラゴス:それは、その、私の地元はまあ100人程しか住んでいないけど、世界にはもっともっといると聞いて、その中になら仲間がいるんじゃないかなーって
アトマス:……そうか、もし、いなかったらどうする
ラゴス:そのときは、、、それでもなにか、自分のためになると思うんです、それに、もともと、自分の身の回りには誰もいないんだ、変わりませんよ
アトマス:そうか、、、、ふむ、では出発するか
ラゴス:はい!
ガチャ!と勢いよくドアノブがまわり、ドアが押される、木と木のこすれる高音が耳に少し痛い。
アトマス:「台風の目」はここからそう遠くない、しかし、ラゴス、君だけでは行けない、何故かと言うとあれは「目」であるからね
ラゴス:目? それがなぜ見えないのですか?
アトマス:台風というのはそもそも遠い南洋で自然発生する風の渦のことだ、そしてその台風の「目」の部分はその吹き荒れる風の中心、その名を冠した場所だ、並の獣人はおろか、訓練された兵にも難しいだろう
ラゴス:なんで、そんなに行き辛いのですか?売上がなくなっちゃいますよ
アトマス:いいか、台風の目とは酒場とは言うが、その実態は「風の冠」の力を使っていこうという考えを持った非公認集団なんだ、その集会所が、その集団名のままの酒場というわけだ
ラゴス:なるほど、今の都の仕組みは「風の冠」が支えているところが多いと聞きます、まさか、裏にこんな組織があるとは…
アトマス:だが、そんなに悪い組織では無い、確かに非公認集団だが、王と考えが一致しているしな。
ラゴス:じゃあ、ほとんど公認みたいなものですね
アトマス:ややこしい事に、そうでも無いらしい、考えは似ていてもね、実際、ああやって、衛兵となり諜報活動をする者もいる
アトマスはそう、「ガー」と呼ばれていた男を指す
ラゴス:あの衛兵さん、本物じゃなかったの?!
アトマス:ああ、そうだ
ラゴスは驚きとともにそんな管理でいいのかと冠の地を心配してしまった
台風の目(颱の目)
風の冠を用いて国を、作ることを、目的とした非公認集団、王と考えは似ているものの、暴力や諜報などを、認めていて少し危険。