病苦
今回はいつもより長いです
ラゴス:しかし、なんか"病苦の残骸"と言うほど病感じる魔物じゃなかったけど、うーん、本体はそういう感じなのかな……
ガー:アール、戦況は?
アール:こちらが仕掛けたのは今回が初だが、残骸の様子は前と変わらず、瘴気とかを撒いている。
ガー:ふむ、病苦とは違って即効性と感染力の強い病気を街に振りまくとかはしないのか……これ、もしや余裕か?
アール:まぁさっき言ってたように、段々強くなってる、まぁ油断せずに
ガー:わかった、では
ガーはアールに少し手を振って、城壁から飛び降りる、四足で着地をし、魔物の方に向かう。
ガー:おーい!
シルフィ:あら、来たのね
ガー:ああ、どこにいたら良い
シルフィ:そうね、あそこボレアスがいる場所の反対側
そう言って魔物の左側の地を指した。
ガー:よし、行ってくる
シルフィ:聞いていると思うけど瘴気が漂っている、気をつけるように
ガー:ああ
その魔物、病苦の残骸はまるで医師のような白衣を着ていた、身長は180cm程で魔物とは思えなかった。その魔物は左腕を見事に切られていてそこを抑えて立ち呆けていた
ボレアス:むむ、ガー殿、感謝する
ボレアスはそう言って魔物にその斧を振りかざす、目にも止まらぬ速さである。
魔物もその立ち呆けた状態から即座に身を動かす、そして、何やら小さなナイフのようなものを構える。魔物がボレアスへと突進する、ボレアスはそれを斧で受ける。
ガー:ボレアス!
そう合図して───
ガー:"穿て"「タラゲス」
ズガンと大きな音を立てて鉱物の刃が地面から出る、魔物は空へと突き上げられる。刃が刺さっていないことを見るとガードしたのか体が硬いのか。
魔物が落ちてくる所を見計らい、ボレアスは斧を振る、魔物の右足が切れる、魔物が倒れる、そこをめがけて両断せんとまた斧を振る。魔物は死んだかのように思えた、しかし、ボレアスがまだ構えているということはまだ蘇生するのだろうか。
ボレアス:ガー、お前は初めてだもんな、こいつは何回か倒さないと撤退すらしないんだ
ガー:魔物として不完全な状態だ、それでも尚
魔力は多い
束の間の話もすぐに終わりを迎えることになる、魔物は瘴気を出しながらムクリと起き上がる。
ボレアス:ぬぅ、また瘴気が濃くなる、自由な呼吸は当分お預けだ、「リア・フターブ」
ガーも魔法を唱え、呼吸を確保する、瘴気が濃いのでガーの魔法ではそれでも息苦しい。こんなんならシルフィにかけて貰えば良かった、と思った。
病苦の残骸:おや、新しい
魔物がそう言ったように聞こえて少し驚いた、魔物と言葉を交わすことは非常に稀だから。まぁそれが言葉なのかは正確には分からないが。
ボレアス:気をつけろ
ボレアスの言葉が正確に聞こえるから、瘴気で魔物の声が聞こえづらいなんてことでは無いらしい。
魔物がこちらにてを振りかざす
ガー:!!!
リア・フターブが解除された、ボレアスに伝えなければ、そう考え、息を止める素振りを誇張して見せた。ボレアスもそれに気付いたが、驚いているようだったため、これは今回が初の攻撃なのかもしれない。
おかしい、ガーは感じた、おそらくこれは病だ、瘴気の症状では無い。
ボレアスはリア・フターブの解除をシルフィに伝えるため瘴気の薄い方へ行く。ガーはもう一度リア・フターブをかけようとするが、瘴気が濃く詠唱がままならない、意識が遠のく、魔物の攻撃が体を掠める。
魔物がこっちに向かって銀色の武器をかざすのが見えて、避けようとするも、出来ない。銀色が近づく、死を感じる。
バキュ、矢が魔物の頭をぶち抜く、アールか?
ボレアス:こっちへ!
ボレアスの声がする、手を引っ張られる、魔物は倒れ動かない。意識……と……
ボレアス:大丈夫か!
シルフィ:病苦の病……痰死病かも、死周病ではなさそう
ボレアス:治せるか?
シルフィ:ええ、"集え入れ生を導き活性せよ"
「ジェナ・プラスミド」
ガーが咳き込む、そして、痰のようなものを吐き出す。
シルフィ:離れなさい、あの痰に感染因子と致死因子が含まれているの
ボレアス:治ったのか、ふぅ、しかし、あの魔物め、急になにをしだすんだ
シルフィ:病苦の残骸、その実力は侮れないようね、病になったら私のところに、あの魔法は私たち風の星の民がこの病に遥か昔から取り組んできた歴史と、風星だけじゃない他の星の技術を組み合わせて、遂に出来た魔法なの。
ボレアス:ああ、留意しておこう、おし、魔物の様子は……と
さっきまで瘴気に満ちていた場所には、まるで矢の嵐が降ったかのような状況になっていた。当然魔物も息絶えている
シルフィ:魔力も感じない、どうやらもう死んだみたいね
ボレアス:むぅ、なんだか手柄を横取りされた気分だ
シルフィ:まぁ油断しない事ね、病苦の残骸の残骸がまだいるかもしれないでしょ?ふふ、地面に手をついてなさい?"集え上れ"
「クラウド・セル」
拳を握ると、周囲のものは全て自らに集中していく非常な風を吹かせて見せた、瘴気も空に散じていった。あまりにも強い上昇気流に石は飛び上がり木が抜けてしまいそうだった。いつの間にか居た病苦の出した魔物も空へ飛んだ。
シルフィ:さぁ "集え下れ"「マイクロバースト」
地表に向かって空気が落ちてくる、地表にぶつかり四方に広がった風は先程の石達を叩きつけた、木はその根を露呈させ魔物は見るも耐えない姿に叩きつけられた。
ボレアスはその斧を地面に突き刺し耐えて見せ、ガーはシルフィに押さえつけられて耐えている。
ボレアス:相変わらず凄まじい魔法……
シルフィ
風の紡ぎ手、風魔法の権威とも言える、
世界魔法大学卒、高等風魔法はもちろん超越風魔法も研究、発明、使用する。風魔法分類の上昇、
下降、偏向、集中、の4つは彼女が作った。




