5-43女子会
放課後になり、私と幸恵ちゃん、美頼さんの三人で集まりました。
「美頼さんは今日リュヌの方は大丈夫だったんですか?」
「明日とか言われると難しいけど、いつ休んでも良いって言われてるから。それにじっくり話聴きたかったし。ずっと気になってたんだよ?」
「それはすみませんでした」
「ファミレスでいいよね?」
「うん」「あ……」
幸恵ちゃんの提案に平然と返答した美頼さんに対し、私は思わず唖然としてしまいました。
「あれ、嫌? 凛紗が駄目なら他の所にするけど。リュヌじゃ店長も優哉もいるから今日は選びたくないし……」
「そ、そうではなくて! 友達とそういった所に行くのが初めてでして……」
にやけるお二人。前にもこんなことが……。
「なんか嬉しいな~」
「可愛すぎるんだけど……。こんだけ素直だったら君島に苦労させることも無かったのかな~」
「今の美頼ちゃんも素直だと思うから、それで充分だと思うよ」
そんな美頼さんの近況を聴きながら、ファミレスに到着し、軽食を注文しました。
「じゃあ、聴かせてもらおうかな」
「危ない。普通に好き勝手喋って終わるところだった」
「ふふっ。はい。ではまず、二月十四日に君島さんとお話ししたときのことから」
私が伝えた想い、その一か月後に君島さんから伝えられた想いについて話しました。
お二人からは三月十四日の日中に君島さんと会った時のことを聴かせてくださいました。
それから、幸恵ちゃんは満足そうに微笑み、美頼さんは深呼吸しました。
「……うん。なんて言うか、なんて言うの?」
「ありがとう、聴かせてくれて。胸がいっぱいだよ」
「逆じゃない? 全部すっきりしたって感じだけどな。とにかく、凛紗、本当にありがとう」
「そうだね。やっぱり嬉しいな。こんな凛紗ちゃんと君島くんと一緒にいてくれること。本当はこれからなんだと思うけど、凛紗ちゃんと奏向くんなら大丈夫だよ」
「こちらこそ、ありがとうございます」
「うんうん」
美頼さんは少し泣きそうでした。
「そういえばどうして今日まで隠していたの?」
「それは、恥ずかしい……のもありますが、君島さんの前で初めて言葉にしたかったのと、伝えた後は決まってからお話ししたかったのも理由です」
「それは……そうだね」
「確かに、知らない状態で言われた時の反応って見てないんだね。え? どんな反応だった?」
「戸惑いながら感謝して、それから私が思っているような人ではないと言われましたね」
「うわ~! 君島~! めちゃくちゃ言いそ~!」
気付いた時には一時間半ほど経っていた、楽しい時間でした。
「じゃあね。何かあったら遠慮なく言って」
「さっき言ったけど、これからだからね」
「あ、はい! 本当にありがとうございます!」




