5-8確かめるための奮闘
「これも同じ理由で話せないかもしれませんが」
「相手を不幸せにするとは言ったけど、その相手が私たちってよく分かったね」
「それは……簡単に言うと、見ていたら分かりました」
「分かりやすかったかぁ……」
「なるほど。すると凛紗ちゃんの中では話が繋がって……それで、夏休みの時のことにお礼したいってこと?」
あれ、幸恵ちゃん怪しんでいるような……。
「は、はい!」
「……本当にそれだけ?」
美頼さんも訝しげです!
「なっ、そ、そうですよ?」
「まあいいや。こういうことなら君島に訊いても良さそうじゃない?」
「そうだね……。冴羅ちゃんと一緒でも良いかな?」
「はい、大丈夫ですけど? 何か考えがあるみたいですね」
「うん。内容に触れかねないから言えないし、教えてもらえるようにできないかもしれないけど」
「大丈夫です! 幸恵ちゃんの考えに乗ります!」
「美頼ちゃんには協力してもらえないかな?」
「協力はするけど……うまくいかなかったらごめんね?」
「ありがとうございます。それから、もう一つ話しても良いですか? 幸恵ちゃんにだけなんですが」
「うん。何かあった?」
「映像部に入りたいんです。後で先生にも話しますけど、部長から見てどうなのかを聴かせてもらえませんか」
「え!? 映像部選んでくれるの!? 嬉しいな~」
「高校入って初めて入る部活?」
「はい! 短いですけど、バイトも部活動もしなかったら後悔すると思ったので」
「でも今忙しい時期だから教えてあげられないかな……」
「大丈夫……だと思います! 手法やソフトが違うかもしれないですけど、自分なり勉強したんです!」
幸恵ちゃんは何も言いませんでした。
「幸恵?」
心配そうに声をかける美頼さん。
「か……」
ようやく声を出してもらえました。
「家族になってほしい……。冴羅ちゃんも一緒に……」
「そうなっちゃう?」
「凛紗ちゃんも冴羅ちゃんも羨ましいよ……」
「いや~それは……」
「凛紗も困ってるでしょ。ほら君島に対する作戦立てるよ。あ、じゃあ君島に話した後でね」
「はい。よろしくお願いします!」
◇
その日の放課後、映像部の顧問の先生に私の意向を話しました。協議するとのことでしたが、私の事情を大いに考慮していただけると言ってくださりました。
……ところで、幸恵ちゃんと美頼さんにはあのような話の後に入部の話をするつもりではなかったのですが、余計に怪しまれていそうです。
◇
あれ、凛紗が映像部に入りたいのも……。いやいや、考えすぎか。昔からの友達と一緒の方が途中からの入部でも安心だもんね。
◇
はっ! 部長と部員っていう関係にしかないものもあるかも!




