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4-15再会、最悪

 初日は国際通りで買い物をして終了となった。

 初日に買い物なの?と思ったけど、最終日は飛行機を乗り逃す危険性があるし、三日目は戦争関連で予定が決まっていることを考えると他がない。まあ、二日目の班行動やホテル近くのスーパーでも何か買えるだろうし。


「あ、テレビ見て良いかな」


「良いけど急にどうした」

 同室の長浜が驚いた。


「ここでしか見られないものがあったり、同じもの放送していても日時が違ったりするから見ておきたいんだよね」


「言われてみればそうだが、まず考えもしないな……。最近テレビ見ないしな」

「現代っ子だねぇ」「同学年だろ」


 というわけで番組表を見ていたところ、メッセージの通知が鳴った。草壁からだ。


>出入口の所に来てくれる?

>あれ? 玄関だっけ?

 なんか慌てているみたいだ。


>今から行くよ


 僕はロビーに着いて、そこにいた草壁に伝えたかったことを言った。

「ここの名称はロビーだよ」


「そう! それ!」


「でも玄関で伝わるから大丈夫だよ」


「でもやっぱりなんか違うじゃん」


「それで、どうしたの?」


「ごめん……ちょっと待ってもらえる……?」


「え? うん」

 何かを待っているんだろうか。随分と気まずそうだ。


「ごめん待たせ……君島?」

「う……」「新城も?」


「なんでこんな集まって……いや集めたんだ、美頼?」

「うぅ……」「木庭もか……」「あらどうも」


「本当にごめん! 訳分かんなくなっちゃって、ちょっと話したことのあるみんなに……」


「ん? どういうこと?」


「その……前に告白されたことがあるみたいなこと言ったよね?」


「うん。断ったとか、あまり関わりがない人だったとか」


「そう。その人が、赤堀くんが今ここにいたんだ……」


「……なるほど?」先を促す新城。

「それって……」次の言葉を探す僕。

「間違いないか?」ちゃんと確認を取ろうとする木庭。


「うん……。同じように修学旅行みたいで」


 確かにここには渋山高校と並んで別の高校の名前も書いてあった。


「ちゃんと正面から向き合っちゃったし、名前も呼ばれていたから」


 今まで考えていたこととは別に、懸念が過った。

「この男三人に囲まれている状況、最悪じゃない?」


「……そうなんだよね。冷静になったら見せびらかしているみたいじゃんって思った……」

 両手で顔を隠しながら力なく言った。気まずそうにしていた理由の一番がこれかな。


「まあ今はその高校の人はいなさそうだし、大丈夫だとは思うけどね」


 草壁は顔を覆う手を外した。


「ごめん、あまり事情を知らないから訊くんだけど、気まずい以外に何かある感じだったら教えてくれる?」


 この中で最も疎いのは今訊いた新城かもしれない。とはいえ僕も木庭も“過去に何かあったのは確か”程度で漠然としていることに変わりはなかった。


「それは……赤堀くんの不登校とか転校とかは、うちが断ったせいだって……」

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