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4-9うちといて嫌?

「うん?」


「うちといて嫌だな~って思うことある?」「ありません」


 即答!?


「い、嫌とかじゃなくても、怖いとか。ほら、ちゃんと話すようになったのって最近じゃん?」


「あ~……」


 うんうん。やっぱりあるよね。


「まあ、最初は軽く女性恐怖症にはなってたかな……」


「うち個人のやつじゃなかった!」


「そんなのなくなったけどね。草壁ちゃんのおかげかもしれない」


 そう言いながら笑いかけてくる新城くんにどきっとした。

「え~? そんな大したことしてないけどな~」

 って照れている場合か。


「あ……もしかして」

 今度は申し訳なさそうに笑っていた。


「逆に俺の方が怖いとか」「ないない全然ない!」 


 うちも即答していた。


「全然話してくれないなこいつってなってない?」


「なってないよ」


「そっか。なら良かった」



 バイト後の調理の勉強も終わって、店長に話しかけられた。

「ミラちゃん……何かあった? その、自分のこと訊きまわっているみたいだけど」

 恐る恐るって感じだった。新城くんといい、うち不安にさせてる?


「あ……見てました?」


「まあ、うん。いや見ようと思って見てたわけじゃないよ!?」


「心配しなくても大丈夫ですよ! 三人とちゃんと向き合いたいと思ったんです。なんと言うか、このままじゃ駄目だと思って」


 言おうかな。店長にはちゃんと伝えておいた方が良さそう。

「……えっと、怒らないであげてくださいね。その、君島がうちから好意を向けられてるって、少し前から知っていたらしくて。でも君島はうちのことを不幸せにすると思って、せめてうちの好意を他の人に向けさせるために動いていたって、君島が話してくれたんです。それを聴いて、進路のこともあるし、真剣に選ばなきゃ、って」


「おお。なるほど」


 それから店長は一呼吸置いた。ちょっと寂しそう?

「そっか。高校も半分過ぎちゃったもんね。いや~、分かっていたから専門学校とかその後のことを伝えたんだけどね。そういう料理とか飲食店のことだけじゃなくて、ソナくんと仲良かったし、いろいろあったから。感慨深いな~って」


「店長……! 急にそんなこと、寂しくなっちゃいますよ!」


「大事に過ごして。悔いのないようにね」


「はい……!」


「あ、でも寂しいとかはないかな」


「えぇ……余計寂しいですそれ」


「だってどこかで活躍が見られる気がするんだよね」


「本当ですか!?」


「本気だよ。私の勘って当たらないこともあるけど」


「現実にしてみせます! 頑張ります!」


 感情が動きすぎて疲れた……。

「お先に失礼します。お疲……」


 ちょっと落ち着いて一つ気になることができた。

「あの、今の話を聴いて、君島のことをどう思いましたか」


「あ~。ソナくんはソナくんだな~って思った。昔からそんなだよ。相手のことを思ってあげられるところが良いところだけど、ソナくん自身が幸せになれない理由にもなってて難しいよね」


「そうですか……。ありがとうございます。お疲れさまです」

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