4-1遠い目の男子の悩みと止める僕 ☆
新城は悩んでいるらしい。
数学の授業で教室を移動したところ、先に遠い目で席に座っていた。
まあ、そうなるかもしれないな。幸恵さんのいきさつをこれまで見てきて、自分に思うところ
「草壁ちゃん、なんで二組じゃないんだろう」
新城は焦点を僕に合わせ、微笑しながら呟いた。
「……前に似たようなことを木庭と草壁にも言われたよ。急に何?」
「修学旅行だよ。班が」「あ、聴きたくない」「なんで!?」
「いや新城の班の話じゃないの? 面倒なことが起こったからそう言うんでしょ」
「起こってねえって」「本人はそう言うものだよね」
「それに俺のことじゃない。草壁ちゃんと木庭を同じ班できたって話だよ」
「あ~……。そうだね」
草壁と木庭との関係が修復してから四か月ほど。なんだかんだ楽しそうではあるけど、決め手に欠けるといった感じだった。……僕としては促しているつもりなんだけどな。
そんな状況だから、修学旅行を一緒に過ごせたら打開できるのではないかと思うのも無理はない。
「はぁ。君島、余計なことしていないだろうな」
「うん。愚痴は聴いてあげてるけど」
「ちゃんと余計じゃねえか! それ『本当の悩みを話せるのは君島しかいないな~』ってなるやつじゃん!」
「え? そういうのって愚痴聴く側が妄想することで結局は実らないんじゃないの?」「そんなこともねえって」
「まあまあ、最後は木庭のこと立てているから大丈夫だって。そっちと違ってどうしても顔を合わせるんだからね?」
「いや、俺だって最近も土曜にリュヌ行ってるから」
「…………何してんの!? 僕は草壁のいる日避けてるんだからね!?」
「見たくなっちまうんだよあの二人を! それにコーヒー一杯だけだから許してくれよ!」
「二人とも」
僕たちは硬直した。
「賑やかだな」
そこにいたのは油井だった。
木庭は、まだいなかった。
「……別の組なのは変えられないから、木庭の班の動向を見ながら僕の班は行動するよ」
「なんで俺の班の動向を見るんだ?」
「どういう意味? 僕は木庭と」「俺と木庭が同じ班なんだって。ん? まさかお前……」
「ああ……うん。草壁と同じ班。動きやすくできると思ってのことだから!」
「……そうか」
◇
「え? なんかあった? まだ時間あるのに珍しく静かじゃん?」大原が訊いた。
「さあ? さっきまで賑やかだったが、座り直したきりそのままだな」油井が応えた。
「怖っ」




