3-17「巨大ピンボール!? 設計図や部品も一部公開! 二年三組インタビュー!」
坂駆け抜けの動画は公開されたけど、僕たち映像部の文化祭はまだまだこれから。来週の公開に向け、様々な組や部活動を巡って文化祭準備の様子の撮影・編集を始めていた。
今日は二年三組の動画を編集する。昨日幸恵さんが撮影してきてくれたものだ。
内容は、巨大ピンボール。
最初に聴いた時は油井の案だと思っていたけど、違うらしい。
「まず大きい物を作りたかったんです。そこから、ただ展示を見るだけじゃなくて来た人が遊べるようにもしようという方針になって」
動画内で提案者を名乗る油井のクラスメイトがそう話していた。
動画はインタビュー形式を採った。数人が喋りつつ、設計図やデザイン、部品の一部を写すという構成。この内容は早めの撮影時期も併せて向こうからの提案だった。
「いいの? 建造するところとかじゃなくて?」
動画にも出演した二年三組の数人が打ち合わせに来た時、僕が訊いた。
「ああ。文化祭中に画像を上げはするが、なるべく実際に来た時が初見になるようにしたい」
そう答えたのは油井だった。
デザイナーとして出演する彼の発想にはいつもながら舌を巻く。
「これは没案の内の一つで……」
動画内で一枚の紙を出した油井に笑いが起こる。
「中華料理な!」
「あのピンボールで操作する部分、ハネと呼ばれるところから餃子が想起されて、そこから、ラーメン、チャーハン……」
「可愛らしくて好評だったけどね。ピンボールらしい物の方が良いってことになりました」
突然こういうことをするのにも驚かされる。
編集が完了し、出力を開始させた。
「お疲れ~」
一緒に内容確認してくれた幸恵さんに労われた。
「幸恵さんこそ」
「楽しそうだよね、これ」
「子どもには遊んでもらえるし、大人には驚いてもらえるだろうし。幸恵さんも天音ちゃんとかとどう?」
「いいねそれ」
明るい表情を見せる。
「……やっぱりやめておこうかな」
瞬時に暗い表情に変わる。
「心変わりするの早すぎない!? 急にどうしたの!?」
「壊しちゃわないかと思って……」
そのことにはインタビューでも触れられていた。
「丈夫に製作するつもりですが、皆さんにはできるだけ優しく扱っていただきたいです。それでも文化祭の期間中に絶対に壊れるとは考えています。その際は修理の時間をいただくこともご了承ください」
まあ、そうだよね。準備してはいるだろうけど、本当に壊れた時は大変だろうな……。
「……いやいや、大丈夫だよ。天音ちゃんしっかりしてるし。それに、いつか一緒に遊園地に行きたいんだよね?」
「うん。あれ、奏向くんにその話したことあったっけ?」
そういえばこの話って観覧車で油井に話したことだっけ。櫓が仕込んだマイクで盗聴したんだっけ……。
「いや、まあ、そんな風に見えたから……」
「そっか。……うん、そうだね。一緒に居たいし、誘ってみようかな」
家族の話をしている時の幸恵さんは、心の底から楽しそうだ。




