表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/281

1-14UFO

 その次の日、放課後は部活があった。

 昨日の勢いそのままに今日なんとしてでも聞き出す決心をしていた。


 今の今までお迎えに行く機会に帰りながら訊けば良いと考えていたけど、割と希だしどうも難しい。先週はストーンサークルの話をしていた。また別の日はナウルの話。ウィ○ドウズのロック画面かな? 興味深くはあるけど、脈絡も無く唐突に始まるものだからこちらから切り出しにくい。


 こうなると部活前か部活中しかないだろう。

 ただ、幸恵さんと話すのを難しくするのが後輩たち。昨日振り返る中で思い出した、一年前の先輩と同じような効果を発揮している。どうしても他に誰かがいる状況で会話するのは気が引ける。特に僕が訊きたいことは個人的なことなのだからより難しい。


 これまで部屋に二人でいる方法を考えてきたけど、上手くいきそうも無い。単純に後輩たちを誘い出すにしても、どうやって?

 後輩たちに「二人だけで話したいことがあるんだ」と素直に言って部屋から出てもらうのは……その後が大変すぎる。今でも結構誤解されてるのに、幸恵さんと話すだけで後輩たちが色めき立ってしょうがなくなる未来しか見えない。

 幸恵さんになるべく早く来てもらう方法は時間が短くなる可能性がある。それなら鍵を閉めて外から入ってこられないようにしたら……今度は学校中の噂になるだろうな……。それに早く来るように言う時点で幸恵さんに対して思わせぶりすぎるし。


 あとは、幸恵さんだけに部屋から出てもらうしかないかな……。

 何も思い付かないまま放課後になった。どうすれば。何を言えばいいのか。UFOとか? いや~そんなこと気にも留めないだろうし見たければ窓から見ればいいし。

 内心苦笑しながら前を向くと幸恵さんがすごい剣幕で立っていた。剣幕がすごすぎてちょっとすくんでしまった。


「ど、どうしたの?」


「UFOいるの?」


「へ?」


「やっぱり大丈夫」


「え? あっ、え?」


 急なことに気を取られているうちに、幸恵さんは行ってしまった。

 僕は幸恵さんの言葉を反芻する。

 ……まさか声に出してた!? しかも釣れちゃったの!?

 僕は急いで幸恵さんの後を追った。

 外にいるところを見つけた。靴を履きながら幸恵さんに駆け寄る。

 幸恵さんの手にあったのは映像部のビデオカメラ。撮影したいの?


「あ、奏向くん。どこで見たの?」


「あ、いや……ごめん。たぶん少なくとも未確認な物体じゃなかったと思う」


 色々言えないことがあるとはいえどんな弁解だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
YouTubeにて「僕(じゃない人)が幸せにします。」制作裏話を投稿しております。 もしよろしければこちらもご覧ください!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ