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2-57関係が終わって ☆

 収まってきて、僕たちは自然と窓の外を見ていた。

 まるでここは外と切り離されているように思えてならなかった。


「帰るわ。私たち」


「そうですね」


「うん。……あ、そうだ、ちょっと待って。さっき書き置きを見つけて、卯月さんからかき氷食べてほしいって。無理にじゃないけど」


「食べられそう?……凛紗」


「食べてみます。あ、君島さんに説明すると、体を冷やして体調崩すので実は食べたことないんです」


「そうだったわね。どうする? 温める?」


「それが意味無いことぐらいは分かります……」


「あっ」


「でも、その、さ、冴羅ちゃんのそういうの、面白くて好きです」


 僕は注文を受けて、外から三つ持ってきた。草壁がそわそわしていたり木庭から様子を窺うような視線を向けられたりしたけど何も訊かれなかった。


「いただきます」


 これで深町姉妹と個人的に会うのは終わり。一応あと一週間はあるけど、蝉時雨のように賑やかな夏休みだった。



 冴羅と凛紗はリュヌを出る。


 そのまま何も言わず歩く。

 大通りとの交差点に出る。


「ねえ」「あのっ!」

 お互いが同時に声をかける。


 少し待つ。


「なにかしら?」「なんですか?」

 今度はお互いが聞き返す。


 二人は少し驚き、同時に笑い出す。


「懐かしいわね。こんなのも」


「……はい。いつの間にかなくなっていましたね」


「双子で、ほとんど考えることが同じだから、話さなくても済むことに気付いて、どちらからともなく話さなくなっていって」


「それがいつの間にか、『話さなくても良い』から『話しづらい』に変わっていて。しかもその時には既に双子でも全然違うことに気付いていましたよね」


 冴羅は一息吐いて、鼻で笑う。

「話さなくなっても話しづらくなってもよく見ていることは変わらないのよね。我ながら気持ち悪い。もっと話せばいいじゃないの」


 凛紗は情けなさそうに笑う。

「そうですよね。でもいざ話そうとしても何を話せばいいか分からなくて」


 冴羅は言葉に詰まり、目を伏せる。

「挙げ句、あんなことを話してもいいはず無いのに、どうしても話をしたかったのと、訊いてみたかったのもあって……」


 改めて立ち止まり、凛紗の方を向く。

「凛紗。本当にごめんなさい」


 凛紗は素早く首を横に振る。

「そんな! もう大丈夫ですから! お互い様です。私も思うところはあったわけですし」


「そうね……」


「はい……」


 二人は次の言葉が見つからない。


「……家に帰って、ちゃんと考えをまとめてから話してもいいかしら」


「はい! 私もそうしますから!」


 深町姉妹は帰路に着く。


 二人で手をつないで。

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