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家族と私と

遅れてすみません

「おはよう御座います、お父様、お母様。」

「「おはよう、メリカ」」

朝の妖艶な誘惑に身を委ねようとしたところをメイドのレイアに邪魔されて機嫌は少し斜め下。感情が表に出てなければいいのだけど。全く、二度寝くらい許して欲しい。機嫌が悪いのがバレないように下を向いて深くお辞儀をしたおかげでバレなかったようなのは不幸中の幸いだと思う。

「あら、メリカ。あなたの絹のような白い髪がまたはねてしまっているわよ。」

「…あはは、びっくりー気付きませんでしたわー(棒)」

ちなみにこの会話はもう6回目だ。しかし、6回聞いたとはお母様は分からない。繰り返し人生1日目に必ずするやり取りだ。1年という期間が空いていても何度も何度も同じやり取りを繰り返すのは、お母様が操り人形のように見えてくるからあまり好んではいない。伝わってくる愛情が造り物のようで、私を見つめる髪色と同じルビーの瞳に光が灯ってないようにみえて…

「リカ、メリカ!」

「…っは、あ、は、はい!」

「大丈夫か。空を溶かしたようなベビーブルーの瞳が海に沈んでいるようだよ。」

お父様もお母様も私の容姿を綺麗だとよく褒めてくれる。私の本当の父と母は私の白い髪も薄い水色の目も「醜い」と言い捨てた。当時の私は自分の容姿をよく呪ったものだが、まあ、この奇妙な見た目のおかげで今のお母様とお父様に養子として迎え入れてくださったものなので、昔よりかは気にすることはなくなった。それもこれも全てこの傍から見ると子煩悩すぎると言える両親のおかげだから…

「きっとお父様もお母様も糸を引き千切ってでも舞踏会の先に運んでくださる気がするわ。」

「あら、何か言ったかしら?」

「…いえ、何もありません。ありがとうございます。」

絶対に私は未来を掴む。そして、また3人でもっと感謝の気持ちを伝えたい。そうして今度は「ふわぁ…おはよう御座います、お父様、お母様、姉様」

「あら、おはようテールド」

…え、だ、誰ですか??

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