今日から6周目っ!!
処女作です。低クオリティですが頑張ります。
2年生最後の授業日…という名の修業式を終え、夜の舞踏会が始まる。私を散々いじめにいじめた殿下の婚約者は隣にいる彼に悪行を露わにされ、婚約破棄に国外追放。平和をもたらした彼からのプロポーズに私は歓喜の涙を流しながら応える。一生の幸せを誓い腫れた目を静かに閉じ…
…
……
………ドアをコンコンとノックする音で目を開く。この小さいとも大きいと言えない絶妙な音の大きさでありながら眠気を覚ますのに充分な音量はプロの至高の技だと思う。「お嬢様、朝でございます。」ちなみに私は揚げ物を揚げているときの音が一番好きだ。「お嬢様。」ジュワッと溶けていくような音でありながら存在感を放つあの音はまさに「メリカお嬢様朝でございます。」「ああっ私の布団が」無慈悲に切り裂かれた布団との距離。悲哀の涙でも流してやろうか。「早くベッドから降りて下さい、朝食の時間が近づいております。」「分かったよレイア、そろそろ起きる。」そう言いながらベッドから降りる。…話がだいぶそれてしまったがここは決して舞踏会の会場などでは無い。流石に私でも舞踏会にベッドを持ち出し朝まで眠るのは頭のおかしい事が窺われる奇行だと認識している。では、さっきの舞踏会の出来事は何なのか。答えは明快、未来のことだ。私は何度も舞踏会で告白され過去に戻り布団を剥がされを繰り返している。前回の過去(?)を含めてもう5回。今回で6回めになるだろう。そろそろ2年生の授業も嫌になってきた。だから今度こそ、今度こそは…
「人生6周目っ!!今度こそ!舞踏会から!先の!人生!歩むぞ!おお〜!!」
私は高々と握った拳を天に突き上げた。