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来客と聞き急ぎ階段を降りて玄関まで行くと、そこにはイザベラが立っていた。


「イザベラ王女様!」


「クレアさん、中々来てくれないからこちらから参りましたわ」


「イザベラ様…」


とりあえずこちらへと応接間に案内する。エドガーが急いでおもてなしの準備をし、お茶やお菓子を持ってきた。


「クレアさんが務める準備は出来てるからいつでも来てくれていいわよ」


「イザベラ様申し訳ございません。私王宮侍女になるのは難しく…お声かけていただけたのは大変嬉しいのですが…」


イザベラは明らかに落胆した表情で


「ここまでしてもダメ?」


「大変申し訳ございません」


ふーと大きく息を吐きイザベラは目を潤ませる。


「なにも勉強や礼儀などを教えて欲しい訳では無いの…あのレオン様を結婚まで動かしたクレアさんの話を聞きたいだけなの…」


「いえ…私は何も…」


「そんな事ないですわ!!あの表情も変えず、目線すら合わせず、同じ空間にもいたくないとただならぬオーラを放ってらしたレオン様があそこまでになるには、何か秘訣があるのですわよね!」


──レオン様今までどんな態度とってたんですか…


クレアは少し頭を抱える。


「イザベラ様、私はこの屋敷でメイドとして働いてたので、皆様とは状況が違います」


「それでも、イザベラ様が何かお困りの時や心苦しく少しでも軽くなりたい時は呼んで頂けたら、私で良ければすぐ駆けつけます」


「絶対に来てくれますか?」


「はい」



「分かりました」


しばらくの沈黙の後イザベラは納得してうなづいた。


「では今日は私に付き合ってもらえますか?」


「はい。かしこまりました。このままお話しますか?」

「いえ、出かけましょう。護衛もついてますし安心してくださいな」


エドガーが慌てる。クレアについて行けるメイドはいない。1人で行かせるのも…と考えているとクレアが横まで来て


「私1人で行っても大丈夫ですか?イザベラ様のお付の方もいらっしゃるし…帰りは適当に帰ってきますね」


「ちょっと待ってください奥様、行くのはいいとして帰り歩いて帰ってくるとかダメですからね!」


「…はい…」

「久しぶりにフラフラしようとか思ってたんですよね?ダメですからね!」


──奥様とか呼びながら前と扱い一緒よね…怒らせたら怖いわ


「クレア行きましょう」

「あっはい」


一緒に階段を降り玄関をエドガーが開け見送った。


「行ってらっしゃいませ」


イザベラが馬車に乗り、クレアは後ろの控えの馬車に乗るつもりだったが一緒にと言われてイザベラの向かいに座る。

馬車の周りには赤色の布をつけた騎士が馬に乗って守っていた。レオンの隊は黄色である。


──レオン様の隊ではないのね


「お母様以外と出かけるなんて初めてなの。すごく楽しみだわ」


満面の笑みで本当に嬉しそうにしているイザベラ。


──イザベラ様はずっとおひとりだったのかしら


クレアはふとそう思った。今日は一緒に楽しめたらいいなと思った。


「どちらに行かれるんですか?」


「次招待されているお茶会に持っていく小物が欲しいの。御用達の店があるから」


馬車は豪華な作りの商店の前で止まる。

お付の人が扉を開けたのでクレアが先に降りイザベラを待つと、ゆっくりイザベラが降りてきた。歩くイザベラの脇を騎士が固める。侍女が店先に行くと店主が出迎えて頭を下げる。案内されて中に入ると整然と並べられた商品が目に付いた。どれも眩い宝石をあしらった物ばかりである。


「クレアさんどれがいいと思います?」


「私には眩しすぎて…」


目をパチパチさせてそう答えると、ぷッと笑われた。後ろから聞こえたそれは、笑いをこらえたつもりで思わず吹き出したようで肩が少し震えている騎士がいた。


「セルゲイ笑うなんて失礼よ」


「申し訳ございません」


謝っているがまだ肩は震えていた。


──なんで笑われるの?



その後イザベラと一緒に色々見て、いくつか候補をあげ全て王宮へ送る事になった。


残り1話です。最後までよろしくお願いいたします。

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