襲撃者!
『米粉のキーマカレーパン』
ヒントはカレーライスだ。
この世界にはまだないみたいだけど。
スパイスは市場ではあまりなかったのだが、国境付近の宿場町にはそこそこあったのだ。
漬物と同じく、見掛けて即買いしてよかったと思っていたのだが、、、。
「刺激が強くてビックリしました」
「まだ口のなかがピリピリする」
「お水がないと大変です、、」
試作品を食べてもらった3人には受け入れられてないのかな、残念だなあ、、。
残りのキーマカレーパンはオレが消費するか、仕方ない。
さて、腹も膨れたし、メープルと話の本題に入るとしよう。
「で、オレはどうすればいいんだ?」
「はい、まずは主人である公爵様にお会いください。そこで子細な話を聞けると思いますので。」
「わかった、じゃ今から?」
メープルの慌てぶりからすると、即行動がいいだろう。
「はい、主人は屋敷にいるはずですのでご案内します。」
「ウル、リッチ、店をまた任せていいか?」
「「はい、いってらっしゃい!!」」
頼りになる2人だ、と信頼を寄せると共に申し訳なく思ってしまう。
馬車に乗り、メープルと公爵邸に到着する。
以前来たときは夜だったが、昼間に見るとまた違った印象だ。
「!!」
メープルがとっさに構える。
「え?」
とそれを見てるうちに何者かに襲撃される!
3人組だ。2人はメープルに、1人はオレに狙いを定めたようだ。
「ぐっ、、!」
不意打ちのパンチを腹にくらい、昏倒しそうになるがなんとか踏みとどまる。
「、、な、なんだ!?いきなり、、」
「コムギさん、逃げてください!!」
メープルが必死の形相で叫ぶ。
3人とも素早く、洗練された動きだ、見るだけで手練れだと素人ながらに感じる。
「なんなんだよ、一体!?
ああ、わけがわからん!
面倒くさい!
とりあえず、、仕返しだ!!」
いきなりの事だらけで埒があかない。
まずは襲撃者の動きを奪う。
「くらえ、重量管理だ!」
ズンッ!!!
と何か重いものに潰されているように襲撃者の動きが一気に鈍くなる。
「さらにトドメ!温度管理!凍れ!」
地面に両手を当て、彼らの足元目掛けて冷気を飛ばし、足元を凍らせた。
「!!!」
襲撃者たちは驚いたのか、思わず声にならない声をあげる。
いまは大人しくしてもらわなきゃな。
ふぅ。
「これで逃げられないな、メープル大丈夫?」
「は、はい、、。
すごい、、!!
これがコムギさんの力ですか、、これならお嬢様も必ずや助かります!」
「それならいいけど、、こいつらはなんだろ?」
まだ痛む腹をおさえながら、確認する。
「恐らくは、、この国の現体制に不満をもつ貴族の差し金でしょう。
お嬢様を人質にして、権力を握ろうとしているのではないかと。」
敵だらけじゃないか。
「アンさんも王様もかわいそうだ。」
ふと独り言をつぶやいてしまう。
「そうなのです、だからこそコムギさんの力をお借りしたいのです。
こんなあちこちが敵だらけなんて悲しいじゃないですか」
そうだな、、。
アンさんのためにも力になってあげなきゃな。
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