侵入者
帝国の黒メロンパンこと、ドイツパン『バイツェンミッシュブロート』が届いてから王様は忙しく事態を収拾するため、あちこち奔走しているらしい。
また食糧問題と従妹のアンさんの婚姻のどちらを取るのかと世間も注目していた。
「こうなるなら王族も大変だよなあ、、」
「そうですね、継承権やら権力の話がついて回りますし。」
「なんだか可哀想な話です、、」
オレたちはベーカリー・コムギの店内で一休みしていた。今日は大掃除をしていたのだ、だから全員掃除用に汚れても良いラフな格好をしている。
今までは商会の前で出店販売していたが、そろそろ本格的に店の営業再開をしたいと考えていた。
現状は米粉がメインになるが商会を通して、前の1/3くらいだが小麦粉も手に入るわけで、なによりお客様からの要望が多かったからだ。
お客様からこれだけ支持されているんだ、やらなきゃな、という気持ちでオレたちは昂っていた。
「さて、あと少しだな!一気に終わらせよう!」
「「はい!」」
窓や売り場の掃除をしていると、ふとキラリと光るものが視界に入る。
「なんだ、これ?」
「あれ?これは見たことありますね、たしか王族に関係する人間が身につける装飾品です。
ないと城に出入りが出来ないとか」
「なんでそんなものが?」
「さあ、、、??」
ウルと2人で不思議だなと首をかしげる。
すると
ミシ、、!
と天井から軋む音がする。
なんだ?天井か?
この真上の二階には倉庫があるけど、なにかあったのか?
ウルと頷き合い、リッチに一階を任せ2人で二階に向かう。
倉庫部屋に窓はないから、出入口はドアだけだ。
2人でそろり、そろりと近づいていく。
キィ、、、
!!出てきた。
陰に隠れ、ウルと合図で取り押さえようとアイコンタクトをする。
1、2の、今だっ!!
「!!!」
「捕まえたぞ!!」
バタバタとその侵入者は暴れる。
「くっ、放せ!!」
侵入者が必死に反抗する。
だがオレたち2人がかりには敵わない、敵うわけがない。
なぜならオレたちの目の前の侵入者は
女の子だったからだ。
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