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本分はなに?

梅干し、佃煮、いかにも和風な物が何故あるのか?

疑問はすぐに氷解した。

ここは宿場町。保存が効く食べ物の需要があるからということらしい。

そして、ソーセージラフが解体出来たと知らせがあったようだ。解体現場に到着すると



「こんなにたくさん、、!?」



そう。

オレたちの目の前には解体され、素材や材料になるソーセージラフの部位が山盛りで切り分けられていた。目当てのソーセージはいわずもがな、他の肉の部分もすごい量だ。

運ぶことを考えるとさすがにこの量はなあ、、。

完全に小さな山になっているので、馬車でも3台分は必要だろう。


「ウル、どうしよう?」


「これだけの量です、今の品薄な市場で裁けば、かなり高値で取引されるはずです。

輸送費を差し引いても十分元が取れるはずなので運びましょう。」


「じゃあ、そうするか。あ、ついでに梅干しと佃煮もください、一緒に乗せちゃうので」


「2人はなにか欲しいものある?」


「私は特にはありませんよ」


「僕も大丈夫です、たくさんいろんな珍しいものを見られただけで満足です!」


じゃあ、目的のソーセージも手に入れたし、市場に向かうかな。



馬車3台を手配し市場まで向かうことにしたは良いが、これだけの物が捌けるだろうか?

ウルは妙に自信あるみたいだけど、、。


そんな事を考えているうちに市場に到着する、、が様子がおかしい。閑散としているはずなのに騒がしいな?

なんだろう??


「早くなんとかしやがれ!」

あれ、ニックさんの声だ。


「すみません、すみません、、」

なんか平謝りし続けてる人が取り囲まれている。

「どうしたんですか?」


「おう、兄ちゃん、聞いてくれよ!

荷止めの解消目処が全く立たないんだってよ」


「え、それは困りましたね、、」


「だろっ?だから皆で急かしてんだよ」


「とりあえず、ソーセージラフを手に入れましたけど足りないですよね、すみません。」」


「そうだな、全然足りない、、って「「「なにーーぃ!?」」」」


皆がババッとオレたちと馬車に目を向ける。

あの中に品物が、、、一同が獲物を狙う目になる。


「兄ちゃん、あれを倒せたのか?!」


「はあ、まあ、、」

あまり実感ない倒し方だったけど。


「よし!じゃ買わせてくれ!

言い値でもかまわねぇ!

店に商品がないなんて商人として許せねぇからよ!」


ニックさんが我先にと言うと


「「「ズルいぞ!」」」

「「「こっちにも売ってくれ!!」」」


とオレたちを中心に辺りは怒号と喧騒に包まれてしまった。

その場を沈めるため、ウルに取り仕切ってもらい、数量限定で順番に販売し無事に売り捌くことが出来た。


ウルいわく


「うっふっふっ、笑いが止まりませんねぇー!!!」


とかなり儲かったようだ。

さすが元商人。モノが違う。

任せて良かったな、と思ったのも束の間。

その好評価もすぐに消えた。



「じゃ、店長!

もう一狩りいきましょう!

いや、何度でも!!

今がチャンスです!!!」


「バカヤロウ!

怖い、痛い想いするのオレじゃねぇか!!

なんでだよ!」


そんな抗議もお構いなしに

「さあさあさあ」と血走った目でグイグイ来られて怖い。

リッチなんて引いてるじゃないか、、。



はあー、、、、っと息を吐いて残念な目をウルに向ける。オレたちはハンターじゃないんだよ。



「ウル、忘れてないか?」



オレたちはパン屋だぞ?



肉を売ってどうするよ。」




「ああっ!!そうでした!!」

コイツ、本当に忘れてたな。

金に目が眩むとウルは暴走するのか、、覚えとこう。

いつもご愛読ありがとうございます。


本分を忘れてはならない、という自戒も込めて書きました。


感想、評価、ブックマークもありがとうございます。いろいろ参考にさせていただきたいのでこれからもよろしくお願いいたします。

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