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従妹

執務室に着くまで無言な2人は、ついに執務室の前に立つ。いつもいる衛兵の人に思わず、おやっ?とした顔で見られたが彼女のためだからしれっとしたままゆっくり手を離す。

「あ、、」と名残惜しそうなアンさんだが、執務室に入るのだからと気を引きめた表情になる。


コンコン

とノックをしたあと、今日再び執務室に入る。

「あれ?

コムギどうした?忘れ物でもしたか?」

と王様が聞くと同時にアンさんを視界に捉えたようで


「アアアア、アン、、、なぜここに!!??

何の用だ!!??!」



王様がめちゃくちゃ動揺している。

なんだ、何かあるのか?


そんな王様を歯牙にかけることなくアンさんは


「本日は父に代わり、謝罪と顛末の報告に参りました、陛下」


と臣下の礼を取る。


「ほっ、、そ、そうか!う、うむ、聞こうではないか、掛けるがよい」

と明らかにホッとした様子で対面ソファーへの着席を奨める。


「此度の小麦粉の一件では誠に申し訳ありませんでした、国に危機をもたらしてしまい、お詫びの次第もありません。

本来ならば父が参らねばならないところ、火急の要件とのことで私が名代として参りました。

処分ならばいかようにもお受けする所存です。

どうぞ、いかようにも」



アンさんが不安で震えるわけだ、最悪命を落とすかもしれないほどの不手際としての一件の報告と謁見。

彼女はギュッッと唇を噛み締めながら、王様からの裁決の言葉を待っている。


「、、ふむ、そう、、か」

あごに手をやり、王様がいつもの雰囲気から、真面目モードになる。そこには為政者として、年齢不相応ともいえる威厳と風格があった。

どうしたらよいのか、という判断をする材料が欲しいかのようにチラリとオレと目が合う。

そして、なにかを思い付いたように


「此度の一件は看過できない、重大な案件である。この場で裁く訳にもいかん。

ゆえに裁定にも時間が欲しい。


それまでは引き続き事態の収拾と回復に全力を尽くすことだ、それに必要ならば隣のコムギの力を借りると良い、王室のバッチも与えたから頼りになるはずだ。


よいか、任せたぞ」


「はっ!!!」

とアンさんがホッとした分、力強く返事をする。


「コムギもなにか力になってやってくれ。

大事な従妹なのだ、頼む」


従妹なのか、そう言えば少し似ているかも。

王様は仕事の続きがあるからとオレとアンさん、ショーニさん3人は執務室を後にする。

「ショーニさんはもう王様との話は終わったんですか?」


「はい。あとは米粉の扱いについて具体的に詰めていくだけですね」


「御二人とも本当に申し訳ありません。」


「「いやいや」」と思わず2人で恐縮してしまう、王様の従妹ということは身分がはるかに高いわけだ、そんな人からの謝罪なんてこちらが困ってしまう。


「これからどうしますか?

ショーニさん、一緒に商会に行った方が良いですよね?」


どれだけ米粉パンを作るのか材料の仕入れなど考えるとやる事は山積みだ。


「いや、今日は大丈夫です。私も片付けなければならないこともありますので、また後日にお願いいたします。」


「アンさんはどうしますか?

何もなければ解散ですかね」


アンさんはドキリとしたのか躊躇いながら




「、、あの!

コムギさん、よろしければうちに来ませんか?」

いつもご愛読ありがとうございます。

話を進めるため、パンの話題が出せてませんが少しずつ頑張って更新して参ります泣


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