表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/162

エスコート?

抱きかかえる姿勢のまま再会に驚くその女性をオレはまずしっかりと立たせた。

危なくないように手を取りながらなので彼女の指、手の感触から緊張が伝わってくる。


「あの、、すみません。」


「いえ、、あの、どこかでお会いしたことありますか?」

正直心当たりが全くない。

こんな綺麗な、本で見るようなお姫様みたいな女性は男なら忘れようもない。それにオレは知り合いが少ないし、、、。


「まさか、わからないのですか、、?

ふふっ、そう言えば服装がまるで違いますからね」

からかい甲斐があると言わんばかりに意地の悪い笑顔になる。その笑顔にも思わずドキリとしてしまう自分に久方ぶりの胸の高鳴りをコムギは感じずにいられなかった。



「私ですよ、アンです。

アンジェリーナ・フォン・ドボーです、本当にわかりませんか?」


「ええーっ!?アンさん?!?なんでここに、それにその格好はいったい、、?」


クスクスと笑いをこらえながら笑い涙を浮かべながら彼女は答える。


「あの魔石を取りに行ったことで叙勲されたのです、なのでそれなりの服装に。

今日は父、公爵の名代として登城した次第です」


「そうなんだ、びっくりしたよ、まさかこんなところで会うなんて。

正直、君には礼を言わなきゃって思っていたんだけど機会がなくて言いそびれていたのが気掛かりでね、、今日会えたついでってわけじゃないけどありがとう。」


「いえいえ、コムギさんのお噂もかねがね。気になっていましたよ、新しいパンで国中が大騒ぎ。しかも今回ワフウとの交渉にも立ち会って活躍なされたとか。おめでとうございます。


それに父に代わりまして御礼申し上げます」


褒めてくれる内容でも、最後の一言だけ、トーンが真面目だったのをオレは聞き逃さなかった。


「最後のはどうゆう意味かな?

お父さんになにか関係が??」


彼女はぐっと握りこぶしに力を込め、決意したかのように

「父は国の物流を担う要職にあります。その責務において、今回の小麦粉の不足は父の失態です。それを救っていただいたコムギさんには御礼を申し上げないと、、」と言いづらそうな内容を口にした。


「アンさんのお父さんが担当の公爵だったのか」


「はい、だから本当にいろいろ申し訳なくて、その謝罪や報告を陛下にするために今日こちらまで来たのです。」


「じゃ、一緒に王様のとこに行こうか?

たぶんまだショーニさんと話をしてるだろうから執務室にいるはずだよ?」


「え、でも、、」


「一人じゃ心細いでしょ?

ちょっとの恩返しというのも兼ねて、で一緒に行くよ」


「、、ありがとうございます。

正直とても不安でしたので、、」


「じゃあ行こうか、はい」


「えっ?」


オレは手を差し出す、エスコートするような形だ。


「手が震えてるからね。

緊張をほぐす意味でも手を繋いでいくよ。子供扱いするわけじゃないよ、人って不安なときに誰かと手を繋ぐと安心するらしいからさ」


「、、はい」

羞恥からなのか緊張からなのか顔を真っ赤にしながら彼女の手を取り、2人は執務室に向かう。

それはこれからの波乱を感じせない、穏やかで微笑ましい時間だった。

いつもご愛読ありがとうございます。久方ぶりの登場、アンです。あんぱんのアンさんです。

これから彼女をどのように絡めていけるかいろいろ頑張っていきます。励みになりますので、評価、感想、ブックマークもよろしければお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ