米粉とイースト
ついに帰ってこられた!
懐かしい我が家兼店、ベーカリー・コムギ!
はあーっ!
懐かしい香りがする。やはりここが落ち着くなあ。
「店長ーー!ウルさーん!!おかえりなさーい!!!」
リッチが大きく手を振り船を歓迎する。
港に着いたら、オレとウルは店に、ショーニさんは城にということでそのまま解散した。
リッチが迎えに来てくれていたので皆で店に戻る。
店に着くなり、米粉でさっそくパンを焼いてみる。イーストで焼いてみたらどうなるかを試したかったからだ。
米粉はグルテンがないから、ふんわりさせるためにイーストで膨らませたい。そしてそれをより安定させるために湯捏で生地温度を上げて作ることにする。
すると、、
「ふわああぁぁ!もちもち、ふんわりです!!
美味しいです!」
「ええ、ワフウで食べたのより風味はありませんがパンとしてならこちらの方が柔らかくてボリュームもあるし、なにより美味いです。」
よし、上手にできたな。
あとはこれをショーニさんに相談して売らなきゃな。
「商会にいくか」
そう思っていたら、王様の使いが店まで来た。
要は「新しい米粉パンが出来たら持ってこい」とのことだ。こちらのタイミングがわかっているあたり、あの王様見張りでもつけているのか?
あながち可能性を否定できないあたり、なにか不安になるな。
仕方ない、城に行くか。
と2人に店を任せ、米粉パンを持ち城へ向かう。
門前で衛兵さんに、王様から前にもらったバッチを見せ、中にいれてもらう。
待合室で待たせてもらうとすぐ王様の執務室に通される。
「きたか!よく戻ったな!
今回はお手柄だったそうだな!礼を言うぞ」
上機嫌の王様の横にはショーニさんがいる。
詳細な話を詰めていたらしく、まだ帰れていなかったらしい。
「米粉パンをお持ちしましたが、すぐ召し上がりま「もちろんだ、さあはやく!」、、すよね、はい」
「これも美味い!今までとは違う素朴な味と自然な甘さともっちりとした食感、また新しい可能性の発見だな!さすがだコムギ。
小麦粉の供給が安定するまで可能な限り米と米粉で主食の代用の目処がたちそうだ」
希望が見えた王様が嬉しそうだ。
たくさんの人に喜んでもらえるなら良かった。
「コムギにはいろいろ世話になっているな、やはり何か褒美を与えねばならん。
どうだ?なにか困り事でもよい、聞き届けよう」
「褒美、願いか、、」
行きなり言われてもな、うーん、、、。
いつもご愛読ありがとうございます。
湯捏製法は、小麦粉でももっちりと仕上げるための製法なので一味違う味に仕上がります。
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