リッチのお留守番
店長、先輩のウルさんがワフウの国に出掛けている間、ベーカリー・コムギの代表として僕が頑張らなくちゃ。
僕はリス人のリッチ。
ベーカリー・コムギの従業員です。
仕事をクビになって、街でたまたま出会ったコムギさんとパンに魅了されて働くことになりました。
僕には3つ夢があります。
1つ目はコムギさんみたいな《パン職人》になること。
人のために魔法を使えて、美味しいパンを作れるようになりたいんです。
2つ目は家族に再会すること。
昔離れ離れになっちゃったけど、きっと再会出来ると信じてる。
3つ目は人、特にスラムの人達に笑顔になって欲しいこと。
僕がコムギさんのパンで、そしてパンの仕事をさせてもらって笑顔になれました。店長はそれがパンの魔法だって言っていました。
だから今度は僕が誰かを笑顔にしたいんです。
でもどの夢を果たすにはまだまだだから頑張ります!
店長たちがいない間、僕は商会でお手伝いをすることになってます。
毎日カレンさんやシオンさんのお手伝いをしていますけど、忙しくて目が回ります!
たくさんの依頼や書類の整理で大変です、これを黙々とこなす2人はすごいや。
「はあー、やっと一段落ですよーっ」
「ほら、カレン。リッチくんがまだ頑張ってるのよ、変なとこ見せないの」
「大丈夫ですよ、今日は最近で一番忙しかったですもんね、あと少しで区切れますから気にしないでください」
「「偉いなあ、、、」」
リッチのパタパタしながらも頑張る姿に、商会の職員たちは癒されつつもやる気を上げていた。
それは間接的にではあるが、商会の売上と評判の向上に一役買い、人を笑顔にしたいというリッチの願いの成就に繋がっていた。
だが当のリッチはそれには気付いていない。
小さな成功の積み重ねが大きな成功に繋がるのだと。
だから彼の夢はいつかは叶うだろう。
夢のため、、今日もリッチは頑張ります!
いつもご愛読ありがとうございます。
新章を描く前にリッチの幕間を描いてみました。
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