表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/162

ショー二という男

いつもご愛読ありがとうございます。


少しずつ登場人物を増やして物語を進めてまいります。

「ご無沙汰しております、ショーニ様。

ご多忙のところ申し訳ありません。

突然の非礼をお詫びします」


「いえいえ、お嬢様相手なら私はいつでも歓迎致しますよ。

ますます美しくなられましたな。

日々のご活躍も聞き及んでますよ。

さすがは『公麗騎士』と名高いだけはありますな」


――お嬢様?

偉いのか、金持ちなのか?

『公麗騎士』とやらも一体?



 わからない単語が飛び交う会話をする2人を何も言わず見ていたところ、彼女が本題を切り出す。


「早速で申し訳ありません。

ショー二様に本日、用があるのはこちらの方でして」


「……ほう?」

 ショー二という人がチラリと目をこちらにやる。なにか品定めでもされている様な、悪意は無いが只ならぬ視線を。


「単刀直入に申しますと、こちらの方が『氷の魔石』をご所望なのです」


「――なっ……!

氷の魔石ですって……本気ですか……⁉」


 スゲーびっくりしてる。

威厳のある顔が百面相してるのは見てて面白いが、あの反応からするとかなり厄介そうな匂いがする。

しかし、そんなにすごいものなのか……?


「お聞かせ願いたい。

一体なんのために……ですかな?」

 

 ごくりと唾をのみ神妙な顔でオレに真意を尋ねる。馬鹿にされないか心配だが、オレにとっては何より大切な物を守るためだ。正直に打ち明けるとしよう。


「食材の保管のためだ。

このままでは全てダメになってしまう、それを避けたい」



「――‼

(『あのお嬢様』がわざわざ事前の連絡も無しに連れてきたこの男は一体……⁇

まさか何かとてつもない、未曾有の危機でも迫っているとでも言うのか……?)」


 今度は打って変わって神妙な顔になるショー二さん。コロコロ変わって忙しいな、この人。


「わ、わかりました。

具体的にお話を伺いましょう」


「よくわからんがとりあえず、ドラゴンを倒せば1億が手に入り、氷の魔石とやら が購入が出来ると聞いた。

そのために必要な情報、道具など一切が欲しい。


 もし代金が必要だと言うなら、今のオレにはこのパンしかない……‼

 オレの命と同じくらい大事なパン達のためなんだ!

代金はいつか必ず払う、だから――どうかよろしく頼みます‼」


 そう言って大きなビニール袋4つ、いずれもパンパンに詰まったパンを渡す。

道中、重みでだいぶつぶれているが仕方ない。


「こ、これは ……?

パンと言いましたか??

これが本当にパンなのですか?」


 まるでパンを初めて見るような顔で、くわっと刮目してから、チラリとお嬢様?の方にショー二さんが顔を向け質問する。


「ショー二さんも召し上がってください。

常識が変わるほどの価値がありますよ?」


「いやいや、パンごときで大袈裟な……」


「あ"ぁ⁉」


 パン如き……⁉

確かにそう聞こえたが、相手は大事な情報をくれる相手だ、ガマンガマン……‼

 オレの漏れ出る怒気を両者が感じたらしく、そそくさと話を進める。


「ささ……そのまま、がぶり、とどうぞ?」

「そ、そうですな。では――」

 

 ショー二さんは『あんぱん』を手を伸ばし、そしてゆっくり口に運び……。



「うんままままあ‼‼⁉」



 本当に百面相だな、ショー二さん。

予想通りのリアクションだと、愉快そうにクスクスと彼女が笑う。


「なななんですか、これは⁉」


「『あんぱん』です」


「『あんぱん』……いや、衝撃的な味です。

上品な甘さでありながら、くどくなく、舌の上でサラリと溶ける……。

これは素晴らしい……。未体験の味だ。

さぞ高価なのでしょうな……。

これ程の物をしかもたくさん、他に何種類もあるなんて……。

――わかりました。

対価としては十分でしょう。

ドラゴンについての情報や資材、全てこちらで用意させていただきます」


「やった‼」

「続きが気になるな」と思っていただけましたら、

評価、ブックマークで応援を何卒お願いします!


※下にスクロールしていくと、「広告の下にポイント評価を付けるボタン」があります。


ご指摘、アドバイス、紹介して欲しいパン、オススメのパンなどございましたら感想欄で教えてくださいね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ