久しぶりの不安
「囚人の脱獄!?なんでそんなことに?」
「そ、それがどうやら何やら手引きをした者がいたらしく、、申し訳ありません!」
手引き、、?まさか、、。
「私ではありませんよ!」
そんな目で見てたわけじゃないのに、必死に抗議するショーニさん、逆に怪しいっ!!
とりあえずそれはあとで考えるとして、どうするか。
キャアアア!!
と外から悲鳴が聞こえる、本当に騒ぎになっているようだ。
「店長、いきましょう。このままでは被害が!」
「仕方ないな、案内まかせる!」
ウルの後に続いていく。
城内のあちこちで悲鳴や怒号が聞こえる。
被害が出なければいいけど、、。
「いました、奴等です!」
「囚人だけど手荒にしたらまずいよな?」
「いえ、脱獄囚は重罪です、多少は構いませんっ!」と言うやいなや囚人たちにウルが突撃し次から次に組伏せたり、戦闘不能状態にしていく。
あっという間にこの場にいる囚人たちは全滅した。
「つ、強いんだな、、オレ出る幕ないや」なんて感心していると
中庭からさらに怒号がする。
あちらが本隊か?
「ウル、行こう!」
「はい!」
ワアアアアァァ!!!
中庭には女中さんや家臣の人達が囚人たちに取り囲まれていた。幸い、まだ犠牲は出ていないようだが今にも襲いかかろうとしている。
ここは天守閣近く、中庭まで距離がありすぎる、こうなれば、、やるしかない。久しぶりだから出来るかな?
「ウル!」
「はい!」
「飛ぶぞ!」
「はい!、、、えっ
うわあああアアアア」
ウルを抱えて風魔法で飛行する。
久しぶりだけどなんとかなるな、良かった。
あそこだな、間にあえっ!!
全速力で中庭に向かう!
ドオオオオオン!!
スピードが出過ぎたのか派手な音をさせて中庭に降り立つ。
「店長、、速すぎで気持ち悪いです、、オェ、、うっぷ」
「すまん、久しぶりで力加減がわからんかった。」
さて、囚人たちをなんとかしないとな。
「なんだあ、てめぇは!?」
「関係ねぇ、やっちまえ!」
「ひゃっはあ!!」
「死ねや!!!」
囚人たちが襲いかかってくる。
またも久しぶりだけど、これでいくか!
はあああああ!!!
カチーーーーン!!!!
囚人たちの足元が凍り付き、全員動きを止める。
良かった、上手くいった。
やっぱり久しぶりだとダメだな、たまには何かしらで使わないと。
「さ、さすが店長、、、うっ、、」
ウルはまだ酔っているようだ、そんな中でも褒めてくるのでなんか複雑な気分だ。
「大丈夫ですか?」と襲われていた人達を保護する、いつの間にか囚人たちも全員捕まったようだ。良かった、なんとか無事に事態を収拾出来たな。
「コムギさん、ありがとうございました!
それにしかと見ましたぞ、本当に大魔法使いだったのですな!
愚息を預けるにあなたを置いてほかないと確信しました。末永くよろしくお願いいたします!」
なにか勘違いされそうな挨拶だ。
言っておくがオレにそっちの気はないぞ、殿様。
いつもご愛読ありがとうございます。
久しぶりにやると不安な事ってたくさんありますよね、そんな感覚をイメージして読んでいただければ、、。評価、感想、ブックマークもお待ちしておりますのでよろしければお願いいたします。