幕切れ
場内に再び通された3人は謁見の間とは違う、書斎の間にて待っていた。
「待たせたな」
殿様がドスドスと上座に座る。
座るのを見届け平伏する。
「では具体的な話をしようか。」
いきなり本題を切り出される。
利あらばすかさず、虎視眈々とこちらの様子を伺うあたり、さすがこの国のトップだけあるな。
「そうですね、では早速。
改めて名代として、国交の樹立と米および米粉の流通についての協議をお願いいたします。
こちらの意図はそのままの意味です。
現在鎖国的に国交を閉ざしている貴国て我が国の国交を樹立し、文化の交流やあらゆる危機における相互協力をお約束願いたい。
加えて米と米粉の流通ですが、現在我が国では小麦粉の不作と需要過多により、主食の食料危機に瀕しております。その危機回避のため、ご協力を何卒、お願いいたします。」
ショーニさんが全て話した後、畳に頭を擦り付けて頼み込んだので、オレとウルもそれに続いた。
「話にならんな、こちらの利益がないではないか。そちらばかり得する話で何を材料に取引を持ちかけているつもりだ、貴方ほどの商人がそれをわからないはずないだろう?」
ごもっともだ。
こちらが頼むばかりで、ワフウにはメリットがまるでない。明らかに偏りすぎた話だ。これではまとまるわけがない。
どうするつもりだ、ショーニさん?
「そちらの利ならありますよ、先ほど申し上げましたが、文化の交流と危機への相互協力ですよ
殿様。いや、セル殿、貴方ならこれに乗らないわけはないと私は践んでいるのですが?」
「何をバカな、、、」と口にしている、殿様、セルというのか?とりあえず殿様はわずかに狼狽した様子を見せた、何かがあるようだ。
ウルもそれを察し、さらに何かに勘づいたように深刻な顔になる。
しん、、と静寂がオレたちを包む。
オレ以外の人達のにらみ会い、探り合いだ。
ショーニさんが攻め立てる。
「、、こちらが根拠まで申し上げたら、はたして、どう、なりますかな?セル殿、、?」
と挑発気味に説き伏せようとする。
明らかに何かを知っている、それを揺さぶりに使っているのだ。
「くっ、、やはり貴方はやりづりい、、いや、さすがというべきか。いずれにせよ、貴方が来た段階でこちらは相当に不利になりますからな」
殿様は諦めたような様子で苦々しく本音の言葉を漏らす。
何が何だかわからないうちに話がまとまりそうなので黙っておこう。
「では、よろしくお願いいたします。」
ショーニさんがだめ押しとばかりに一方的に交渉を打ち切る。まるでもうこちらの要求が全て通ると確信しきっているような堂々とした態度だ。
「、、わかりもうした、万事取り計らいましょう」
互いに平伏と礼をする。
「えっ、これで終わり?」と思わず口にしたくなるようなあっけなさだ。
ビックリしてしまったのが表情に出てたのか、殿様も苦笑する。
「やはり身内ですらその様な反応になるでしょう?
ショーニ殿、貴方は事情通過ぎて頂けない、、」
ニヤリと意地悪そうに笑い
「商人としては、情報が一番の武器ですからね」
と切り返すその顔は満足気だった。
同時に小声で
「あとで全て説明します」と教えてくれた。
なにはともあれ、これで米粉が手に入ることになったらしい。
、、ショーニさん、ホントに大丈夫??
いつもご愛読ありがとうございます。
推理物ではないので、商談についてもさらさらっとした内容で終わらせてしまいました。具体的な部分は追々、、。少しずつまた元の流れと新章に移行していきますので、評価、感想、ブックマークもよろしければお願いいたします。