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目の付け所

使者が来るまで観光することになったわけだが、はてさてどうしたものか、、、。

「ショーニさん、どこが見所なんですかね?

観光と言われてもあまりに情報が無さすぎて」


「そうですよね、では私が案内しますよ。

あまり詳しいわけではないですが大体の見所は知ってますから」


「ありがとうございます。

本当にウルは別行動で大丈夫?」


「はい、店長すみません。せっかくの機会をこのような形にしてしまい、、、」


「いいよ、いろいろ事情があるんでしょ?深くは聞かない。ウルがしなければならない事とやらをしっかりしてきて?久しぶりの帰国みたいだしさ。」


「わかりました、後ほど合流します、ではお先に失礼します」

そう言ってウルは1人歩いていった。

「じゃ我々も行きましょうか、コムギさん」とショーニさんに付いて回ることになった。


街の中は昔時代劇で見たような長屋作りが多く瓦屋根がずっと続いている。侍や町娘、商人などみんな和服だ、洋服を見慣れたせいか違和感を感じるがちょっとタイムスリップしたような気分だな、きっと昔の日本もこんな感じに近かったのかも。

少し感慨深いなと思いながら散策していく。

ふと、気づくが食べ物に当然パンはない。

この国でパンを売れば儲かるのではなかろうか。

支店を出すなら間違いなく良い条件がそろっている。そんな絵空事をして思わずウキウキとしてしまったようで


「良かった、楽しそうですね。

どうですか、何か良い発見でもありましたか?」

とショーニさんが微笑みながら尋ねてくる。


「いえ、パンをここで売ったら楽しそうだな、と思いまして。たぶんパンってこの国にはないんですよね?」


「そうですね。パンはありません。基本は同じ穀物でも米がメインですから。

もしパンを売るなら、ライバルがおらず、未知の商品を、自分が決めた価格で売る事が出来る。これほどの好条件が揃えば間違いなく商売とすれば成功する可能性はあるでしょう。


ただ、この国では『まだ』無理ですが、、」


「『まだ』?」


「ええ、この国ではお伝えした通り他国との国交がありません。故に独自の文化を独自に進歩させ今日に至るのです、良し悪し含めてね。


それだけに、余所からの物はありがたられるか、煙たがられるか、そのどちらかに大きく割れるだろうとワタシは考えています。

やはり初めてはみな不安ですから。


コムギさんのパンには今でも私達ですら驚くのです。彼らからすればこの世のものとは思えない、とすら感じるかもしれません。もちろん、批判もかなり出るでしょう。

致命的なマイナスイメージが付いたらおしまいです。そうならないよう、しっかりと外堀をゆっくり埋めてから商売をしていけばいいかなと」


「さすが本職、よく考えてますね」


「ははは、コムギさんも目の付け所がさすがですよ、本当に商人向きだと思います。

あのウルが認めるだけありますよ」

そう、いつかこの世の話題にオレは触れなきゃいけないんだと思っていた。ちょうどいいかもしれない。



「ウルについて、ショーニさんが教えられる範囲で構いません。

今日の謁見といい、様子がおかしい。 あんなウルは見たことがない。

心配なので、教えていただけませんか?」

いつもご愛読ありがとうございます。

米とパン、それぞれ一長一短があると思っておりますので、ワフウにもパンが広まるといいなと思いながら少しずつ執筆がんばります。評価、感想、ブックマークもよろしければお待ちしておりますのでお願いいたします。

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