模倣だけ、の末路
いつもご愛読ありがとうございます。
以前登場した、「こだわりすぎるな、視野を広くもて」を題材に書きました。食品はブームがいつ終わるかと考えると難しいですよね、、。
『クロワッサン』が完成していたその頃。
「「「「ハハハハハ!」」」」
「笑いが止まらんわ」
「こんなに売れるとはな」
「しかし材料にこんなにコストがかかるとは、、」
「かまわん、今は売れるだけ売ればよいのだ、利益はあとから出てくるわ!」
彼らは以前、店頭で騒ぎを起こした貴族たち、それと彼らに協力する商人だ。
「しかし、マネよ。
お主も悪よのう、あのショーニ商会を研究しその模倣品で我らと協力し貴族とのコネクション作りと金儲けを両方を一気に行うとは見事なやり方よな。」
「いえいえ、皆様のご協力があればこそです。
これからもご贔屓にお願いいたしますよ?」
「ふっはっはは!任しておくがよい、我らと共にこの王国を導いてやろうではないか!!」
商人マネは笑顔で返す。
当たり障りのない、爽やかな笑顔だ。
だが、その「仮面」の下にはなにがあるのか。
それはまだ誰も知らない。
そして彼は問い掛ける。
「そろそろ次の手を考える必要があるかと思われますが、いかがでしょうか?」
そう、彼らは目立っている。
販売網の貴族層への住み分けは良策だが、次を考えなければ魅力なしと飽きられてしまう。
加えて移ろいやすい貴族たちの興味を引き続けるのは中々に難しい。それゆえに、次々に商品を提案する必要があるのだ。
だが、この貴族どもは
「ふん、まだまだメロンパンでいけるわ」
「そうだ、王のお気に入りなのだぞ?切り替える理由がない」
「今のうちにさらに販売数を増やすのだ!」
「、、、」
こいつらは商売をわかっていない。
儲かる、という話が出たときにはすでに後発、遅いのだ。それで売れるのは最初だけ、見極めを早くするか商品のバリエーションを増やすかをしなければあっという間に在庫の山を抱えることになる。
我らはショーニ商会の後追い、販売網を築き上げつつある今のうちに仕掛けなければいけないのに、、。
「切り時」か、、?
そしてこの数日後、ショーニ商会が『満月メロンパン』と『三日月クロワッサン』という商品を売りだし始めた。
やられた!先に仕掛けられてしまった!
これではまずい、我らも何か仕掛けなければ、、。
だがそれは叶わなかった。
メロンパンに固執した彼らはいつの間にか顧客の貴族たちに見向きもされなくなっていた。
「こだわりすぎた」のだ。
そして、その中にマネの姿はなかった。
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