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満月と三日月

いつもご愛読ありがとうございます。

満月と三日月という対比で登場させましたが、どちらも同じバターを使うパンでも作り方がまるで違うのが面白いんですよ。

そこにいる皆は思っていた。


なぜこの『クロワッサン』に目を奪われてしまうのだろうか?

その正体を想像できない不安に駆られているのに

なぜ期待してしまうのかと。



『メロンパン』は満月。

『クロワッサン』は三日月。


形はさることながら、味においてもどうなのかと疑問を抱いていた。『メロンパン』の外はサックリ、中はふんわり、という甘さと食感、そして魅力的なあの香り。

それと比べると『これ』はどうだ。

明るめの焦げ茶色、香ばしい香り。メロンパンとは同じ『月』をモデルにしているとしてもまるで違う。

はたしてどんな味なのか、、。


「どうぞ、食べてみてください」


「で、では、、」

皆が手に取り、恐る恐る口にする。


ザク!!ザク!サク、ほわっ、、、


やられた。

まるで違う。


パリパリとした表面は見た目通り、固めの食感だが、歯切れがよい。そして中にいくにつれ、くちどけのよい生地の層からあふれる、バターの強い香りが一気に鼻を突き抜ける。


またも常識を覆された。


そのショックを振り払うかのように、みな必死に『クロワッサン』を食べていた。


「うまいな!これ!メロンパンとはまるで違う!」

王様、ぼろぼろこぼさないでください、足下汚れてますよ。


「売るには差別化、とは言いますが、違いすぎて、、いや、真逆といってもいい」

ショーニさんもウケているようで興味津々だ。



「「美味しいです」っ」

カレンとシオンにも好評だ、つか仕事はどうした受付嬢。



「やりましたね、店長。好評のようで」

「よかったですね。大変でしたけど、えへへ、、」


ウル、リッチもありがとう、シーターという油脂を織り込むための機械が使えないので手間がかかっているのだが、その甲斐はあったようだ。


「どうですか、いけますかね?」

ショーニさんに問いかける。


「いけますよ、まちがいない」


「味もさることながら、『満月』と『三日月』の商品を並べるなんて、演出という面から考えても素晴らしい!


いやあ、、コムギさんの作る商品は味も形も独創的で毎度不安と期待が入り交じるのでドキドキしますよ」


「それは嬉しい誉め言葉ですね、ありがとうございます」

誉められ過ぎて逆に恐縮してしまうな。

ウルとリッチも誇らしげだ。



「うむ、城の食事も美味くなったしな。

つい期待してしまうな。


さて、あの猿真似ども、目にもの言わしてくれるわ!見ておれ!!」

食べ物の恨みは恐いというが、王様、ぼうしパンも美味しいのであまり敵視しないでください。


かくして王様の私的な理由を兼ねた新魔物パン『クロワッサン』が完成したのだった。

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