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リッチ

いつもご愛読ありがとうございます。

新従業員は、リッチくんです。

リッチとは、卵や乳製品、油脂などが多く入っているパンの種類の総称です。


いきなり雇ってくださいって、何か事情があるのかな?この子、獣人ってやつだよな、スラムってとこに住むという、、、、。


「えーっと、いくつか聞きたいんだけどいいかな?まずキミの名前は?」


「はい、ボクはリス人族のリッチっていいます。」


「なんでうちで働きたいの?」


「すごいと思ったからです。あんなにたくさんの人たちに見てもらえて、笑顔にして、魔法も使えて。ボクもそんな風になりたいと思ったからです」


「魔法はともかく、笑顔にしたい、か、、。

なにかそう思う理由はあるの?」


「、、、」


「言いたくないなら言わなくていいよ、ごめん」


「いえ!、、ボクには家族がいました。

両親、妹、です。お金はないけど幸せだったとおもいます。でも貴族にいいように使われるために、ボクと他の3人は別々になりました。

それから、いろいろな話を聞いてボクの家族以外も同じような人たちがいると知りました。そしてみんな辛そうな顔なんです。獣人はあまり良い扱いをされません、ボクも昨日仕事をクビになりました。 他の獣人たちもボクも笑えるような幸せな世界で生きてみたいんです。だから、、」


「そうか、辛い話を聞いてしまったな、よく話してくれたね、ありがとう。」


「、、グスッ、いえ、、」


「店長、どうなさいますか?」

ウルも心配そうな顔だ。

雇えるなら雇いたいけど、今のままじゃ給料が払えないからなあ、、。


「最後に良いかな?」


「、、はい。」


「もし、辛くても頑張れるか?」


「がんばります!なりたいものをやっと見つけたから、ボクはやるしかないんです!」


「そうか。男に二言はないってわかってるな?


採用だ。

一緒に頑張ろう、リッチ。

これからよろしくな!」


「!!、、、っはいっ!!」


「店長、よろしいのですか?正直、獣人はイメージがあまり良くありませんよ?」


「ふっふっ、、これがあるから大丈夫だ!」


棚からハンチング帽子を取り出し2人に見せる、サイズは少し大きめだ。

「これを被ればわからんだろ!」


おぉーっ!、と二人が感心したように見る。

「かぶってみな?」


「はい、、。」

耳を隠すようにかぶる。

サイズが大きいかと思ったらちょうど良かった。

「どう、、ですか?」


「ウル、大丈夫だよね?」

「はい、問題ないかと。むしろよく似合ってますね。」

「よし!じゃこれでいこう!これから大変だと思うけどよろしく!!」


「はいっ!、、えへへ」

仄かに頬を赤らめ、リッチは嬉しそうに微笑んだ。彼は、笑顔にしたい、という願いを一人分だけ、確かにいま叶えた。

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