割り込み
ウルがちょっとカッコいいです
「はい、こちらメロンパン3個ですね
ありがとうございます!!」
ウルがテキパキとお客様を捌いていく。
勘定の間違いや数え間違いも一切なく、迅速に。
頼りになる。
これならこの大行列もなんとかなるかな。
あ、王様見えた。めっちゃウキウキしてる。
まだかな、まだかなと期待している目だ。
ガヤガヤ、ザワザワとお客様の列がざわつき始める。
どうやら貴族の人が割り込みしているらしい。
「おい、どけ!
ここか、メロンパンがあるのは?」
列を無視して、いかつい男たちと貴族が3人目の前に現れた。
「おお、これだこれだ!!
よし、これを全て寄越せ!」
すごい横柄な態度、めんどくさくてキライなタイプだ。
「平民の食べ物などとバカに出来ん代物、国王陛下が絶賛なさったのだ、これを陛下に献上すれば出世まちがいなし!!
平民たちにはもったいないわい。
ガハハハハハ。」
売りたくねぇー、、、しかし代金は払う気あるみたいだしな。
スッ、、、
ウルが静かに彼らの前に立つ。
「お客様」
「おお、なんだ?準備できたのか??」
「お引き取りください。」
満面の営業スマイル。
「な。なんだと!?」
「おや、ではもう一度。
お引き取りください。」
「ば、バカにするのか。きさま!!」
「いえいえ。お客様に、売りたくないから、お引き取りください。と申し上げているのです。」
「カネは払うといっているのになぜだ!」
「我々は代金と商品の交換だけがしたいのではないのです。
お客様の笑顔、心からの優しい表情を見たいから、ドキドキする期待の気持ちに応えたいから、心の取引をしているのです。
あなた様のような心のない取引には応じられません。
どうぞお引き取りを。」
「ぐ、ぬぬぬぬ」
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