忠言と恩賞
少しずつストーリーを進めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします!
「いやあ、良くやってくれたぞ。コムギ!」
とご満悦な王様。
ここ執務室では厳格さはなく、素の顔が出ている、まあこちらも気楽で良いけどな。
「食事が美味くなって、憂いがまた一つ消えたわ。しかしどうやったらこんなに急に変わるのだ?俺様にもコツを教えてくれ。」
「パン作りのコツをですか?」
「まあそれも楽しそうだが、聞きたいのはポイントだな。
変わらなかった環境を変えるにはどうしたらいいのか、というポイントだ。
今までずっとパンはメインのお飾りだから、どうでもよい。という位置付けで食卓に並んでおった。だが、最近はどうだ?お飾りではなく、味をさらに際立たせ彩っている。
これだけの変化だ、何か俺様にも役立つヒントがあるかも、と思ってな。」
「なるほど。
しかし、大したことしてないですよ。
2人が意欲的に頑張ったからであって、オレはただ問題点を洗い出して、指摘と指導しただけですから。」
「ふーむ。そうかー。
あーなんか良い考えないかなあ!」
「何に悩んでるんです?」
「いやなに、あちこちで食料難だったり、経済力の差があったりと頭の痛い問題ばかりでな。」
「それは大変そうですね」
「正直、藁にもすがる想いだよ、問題は山積み、しかも連鎖してるからな」
「そうなんですか、すみません。そうゆう難しそうなのは良くわからなくて、、」
「いやいい、俺様が求めすぎたのだ。自分の仕事は自分でやらねばな。」
「っ!」
「王様、一つだけなら言えることがあります。」
「ほう!なんだ!!」
目をキラキラさせているがあまり期待されてもな。
「オレが師匠から言われた言葉です、
『こだわりすぎるな、もっと視野を広く持て』と。」
「どうゆうことだ?」
「オレたち職人仕事にはプライドや志というものが根底にあることが多いのですが、そればかりを見ている、『こだわり』って危険なんですよ」
「危険?なぜだ?集中することは良いことだろう?」
「はい、たしかに集中することは大切です。
しかし、同時に周りも見ないといけないのです。こだわり固執するあまり、周りを見渡せばチャンスを逃していたり景色や時勢が一変しているなんて良くあることですから。」
「だから『こだわりすぎるな、視野を広く持て』か、なるほど。深いな。
すまぬ、肝に命じよう。」
「いえ、戯れ言としておいてください。」
「ふ、まあいい。
此度は助かったぞ、またよろしく頼む。
そうだ、これをやろう。」
「?なんです?」
「それは王室のシンボルバッチだ。
失くすなよ?
それを衛兵とかに見せれば城にも入れるし、あちこちにちょっとは融通が利くので便利だぞ。
それがお前への恩賞とこれからへの投資だな。」
「じゃあ頂きます、ありがとうございます。」
「おう、ではまたな」
別れの挨拶を交わし城を後にする。
さて、とりあえずはショーニさんのところで報告してから店に戻るか。
ん?商会の前に人だかりが。
なんだ?騒がしいけど、、
「「『『『『メロンパン』』』』くれ!!」」
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